まず始めに、アニメーションの途中でダイナミクスの効果を入れたり切ったりする方法を二つ説明します。ダイナミクスの効果を切る一番の理由は、「切らない限りオブジェクトを動かせない」からです。言い換えると、ダイナミクスの効果が続いている限り、オブジェクトをマウスでつかむことはできず、またキーフレームやエフェクタによって位置や角度の値を操作することもできません。
1. 「ダイナミクス -> 有効にする」
「有効にする」のチェックを外すと、全てのダイナミクス計算が停止します。
図624-1
したがって、ダイナミクスの働きによって移動、回転していたオブジェクトは、「有効にする」のチェックを外すと、即座に初期位置に戻って静止します。ダイナミクスの計算が完全に停止しているので、他のオブジェクトと衝突することもありません。また、コネクタや場、モーターなどの機能も全て無効になります。
「MoGraph選択範囲」を使うと、一部のクローンだけを有効にしたり、無効にしたりできます。
2. 「ダイナミクス -> ダイナミクス」
「ダイナミクス」を「オフ」にすると、ダイナミクスによる移動と回転の効果が停止します。しかし、他のオブジェクトと衝突し、コネクタやモーターなどの機能も全て有効です。つまり、ただ「動かない」だけであって、ダイナミクスのその他の機能は正常に働いているわけです。この機能は、「障害物」を作る時よく使います。
図624-2
次に、アニメーションの途中でダイナミクスをオフにすると、それまでダイナミクスの働きによって移動、回転していたオブジェクトは、ゆっくりと初期位置に戻って静止します。ゆっくり戻せるのはダイナミクスが働いているからです。この時、初期位置に戻るまでの時間を「ダイナミクス -> トランジッションの間隔」で指定できます。また、戻る時に、衝突を考慮するかどうかを「ダイナミクスの切り替え」で指定できます。
次に、「コネクタ」を使ってダイナミクスをオフにしたオブジェクトをダイナミクスがオンのオブジェクトにリンクすると、間接的ではありますが、ダイナミクスがオンのオブジェクトをマウスやキーフレームで操作できるようになります。これは非常に重要な機能です。
また、「MoGraph選択範囲」を使うと、一部のクローンだけをオンにしたり、オフにしたりできます。
このような理由から、普通はダイナミクスのオンオフでダイナミクスの効果をコントロールすべきだと言えます。しかし、このパラメータはオフにしても内部で計算が継続しているため、処理が重くなります。また、計算が継続していることが目に見えないため、思わぬトラブルの原因となるかもしれません。
したがって、複雑なシーンにおいて「このフレームではダイナミクスを全く使わない」とはっきりわかっている場合は、そこで無効にしておくといいでしょう。
また、シーンに非常に多くのクローンがあり、その一部にしかダイナミクスを適用しない、とはっきりわかっている場合は、「MoGraph選択範囲」を使って関係ないクローンのダイナミクスを無効にしておくといいでしょう。
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