
エフェクタの働きを制限するための機能であるMoGraph選択範囲と減衰について学びます。
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MoGraphには、エフェクタの働きを制限するための方法がいくつか用意されています。一番直感的なのが「MoGraph選択範囲」で、クローンを直接クリックして選択範囲を作成できます。 図603-1
MoGraph選択範囲の使い方は、基本的にCINEMA 4Dのポリゴン選択範囲やポイント選択範囲と同じです。つまり、選択範囲を作るとクローナーの右側に「MoGraph選択範囲タグ」ができます。このタグをエフェクタの「選択範囲」フィールドにドラッグアンドドロップして下さい。
MoGraph選択範囲はいくつでも作成できます。また、MoGraph選択範囲の値は、「選択されている、いない」のどちらかで、中間値は持てません。
次に、MoGraph選択範囲は、クローナーやエフェクタからは変更できません。また、キーフレームアニメーションもできません(注1)。ただし、XPressoの「MoGraph選択範囲」ノードを使うと、値を取り出したり書き換えることができます。これはMoGraph選択範囲の利点です。
注1. 複数のMoGraph選択範囲を作成し、それらを切り替えるアニメーションは作れます。
図603-2
次に、MoGraph選択範囲を使うとダイナミクスの働きも制限できます。これがMoGraph選択範囲の最大の利点です。
図603-3
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エフェクタの側に「減衰」を指定すると、エフェクタの働きを「ある範囲、領域」に限定できます。減衰はエフェクタの側で指定するもので、基本的にはCINEMA 4Dのデフォーマやパーティクルモディファイアが持っている影響範囲の機能と同じです。
図602-4
MoGraph選択範囲と違って、減衰は中間値を持てます。また、減衰は、キーフレームアニメーションをつけたり、XPressoで制御することができます。ただし、エフェクタからは制御できません。
また、当然のことですが、減衰はエフェクタの側に指定するものなので、クローン一個一個を区別して働きを変えることはできません。
次に、減衰で指定できるほとんどの形状は閉じていて、つまり「内側」と「外側」があります。そして、内側と外側のどちらの働きを制限するか指定できます。
図602-5
ただし、「線形」形状だけは開いていて、世界を「前」と「後」の半分に分け、どちらかの働きを制限できます。
図602-6
次に、エフェクタと同様に、減衰もウエイト機能を使って制限できます。
図602-7
ただし、ウエイトの値は乗算ではなく加算されるので、実質的には「減衰の強度」を変えるというよりも、「減衰の範囲」を変えるように働きます。
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ウエイトは各クローンが持っている値で、「エフェクタの影響を受ける程度」を決定します。まず、クローンが作られた段階では、全てのクローンが「1(100%)」のウエイトを持っています。そして、エフェクタの影響を完全に受けます。したがって、クローンがエフェクタの影響を受けないようにするには、「-1」のウエイトを追加(加算)してウエイトの値を「0」にする必要があります。
図603-8
減衰と同様に、ウエイトも中間値を持てます。また、ウエイトはエフェクタを使って自由に制御できます。これがウエイトの最大の利点です。ただし、XPressoで制御したり(注1)、キーフレームアニメーションをつけることはできません。
注1. XPressoを使うと、ウエイトの値を取り出すことができます。しかし、値を書き換えることはできません
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