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モデリング基礎 2: 前面ガラス

題名 内容、及び関連する章 作成日/注記
102 2_前面ガラス 前面ガラス、押し出しNURBS、フィレット、正方形分割、細分化、ブール、テクスチャ、アルファ、選択範囲に限定、平行投影、オブジェクトに合わせる、C1、フレネル鏡面反射、拡散鏡面反射、液晶、 2011.8.14

 

Step 1

前面ガラス(Front_Glass)

それでは前面ガラスからモデリングを始めます。

図102-1

図面(PDF)

完成した部品ファイル

 

作業に入る前に、テンプレートファイルHDRパノラマ画像(24MB)をダウンロードして下さい。

 

前面ガラスは比較的簡単に作れます。まず、図面にしたがって「長方形」スプラインを作成し、押し出しNURBSを使って立体化します。この時、大きさ「0.2」の「フィレット」を与えて下さい。これは現物を見て決めるものなので、元の手描き図面には書いてありませんでした。

また、キャップの分割を「N-gons」から「四角形」に変更し、「正方形分割」オプションを選択します。そして「幅」の値を「2」に指定して下さい。さらに、断面スプラインの「補間法」を「細分化」に切り替え、「最大長」の値を「2」に指定します。こうすることで、複雑なモデリングや変形のアニメーションを追加しても面が壊れなくなります。

図102-2

 

次に、「ブール」オブジェクトを使ってホームボタンが入る穴を開けます。「スプラインマスク」オブジェクトを使って断面スプラインの段階で穴を開けてもいいのですが、そうすると穴の部分にも周囲と同じ「0.2」のフィレットがかかってしまいます。

ブールを使うと、今度は穴の周囲に全くフィレットを取れなくなってしまいますが、「2日間で作れる程度の品質」が前提なのでこれでよしとします。もし、どうしてもフィレットが必要な場合は、ブールを確定させた後ポリゴンモデリングします。

図102-3

 

 

Step 2

前面ガラスのマテリアルとテクスチャ

前面ガラスのマテリアルは少し複雑です。前面ガラスには「マスク(glass_mask)」、「表面(glass_front)」、「裏面(glass_back)」、「エッジ(glass_sand)」の4種類のマテリアルが適用されていて、マスクにはテクスチャも含まれるからです。しかし、幸いなことにこれらのマテリアルは全て「選択範囲に限定」機能を使って簡単に切り分けられます。

まず、「マスク」マテリアルを作成し、アルファチャンネルにマスク画像のテクスチャを読み込み、押し出しNURBSに適用します。しかし、デフォルトの「投影法」が「UVWマップ」になっていて、キャップにはUV座標がないので、テクスチャは表示されません。

そこで投影法を「平行」に切り替え、テクスチャ軸を回転させてキャップに合わせます。そして「オブジェクトに合わせる」機能を使って、マスクの大きさを前面ガラス全体に正確に合わせます。

次に、「選択範囲に限定」に「C1」を指定します。これは「押し出しNURBSの裏側のキャップだけ」という意味です。

図102-4

 

次に、ガラスのマテリアルを作ります。ガラスのマテリアルは、通常裏表で同じですが、iPodTouchをよく見ると、ガラスの表面が光をよく反射するのに対して、裏面はほとんど反射しません。これは、表面が「撥水、発油コーティング」されていて、裏面が「反射防止コーティング」されているためだと思われます。

細かいことですが、簡単に変更できるので、今回は変えてみました、ガラスの表面と裏面で違っているのは、「透過」チャンネルの「フレネル鏡面反射度」の値だけです。この値が、表面は「100」、裏面は「30」になっています。気にならなければ、表裏同じでも構いません。

図102-5

次に、ガラス周囲のマテリアルを作ります。ガラス周囲の部分は切断した後磨いていないので、砂目になっています。これを表現するために今回は「拡散表面反射」機能を使いましたが、レンダリングが重くなるので「透過」チャンネルを切っています。

計算時間が気にならなければ透過チャンネルを入れても構いませんし、見た目が気にならなければ拡散鏡面反射を切っても構いません。自分の目で見て判断して下さい。

最後に、iPodTouch用に作ったマテリアルを新規レイヤにまとめ、レイヤの名前を「iPodTouch」に変更します。

 

 

Step 3

液晶(LCD)

次に液晶を作ります。これ以降の部品のモデリングは、前に作った部品のシーンファイルを変更しながら作っていくようにします。こうすると、前のシーンで作ったオブジェクトやマテリアルを簡単に流用できます。

図102-6

図面(PDF)

完成した部品ファイル

 

液晶の作り方も簡単です。図面にしたがって、「立方体」と「平面」を組み合わせるだけでできます。

内側に収まっている部品でもあり、分割する必要はほとんどありませんが、「iPodTouchが飛び跳ねる」というようなアニメーションを作る場合を考えて、一応分割してあります。

図102-7

 

次に、液晶にマテリアルを適用します。液晶の本体部分は液晶の表示部分よりも少し大きく、真っ黒です。

液晶の表示部分は、バックライトによって発光するわけですから、マテリアルでもiPodTouchのスクリーンショットを「発光」チャンネルを読み込みます。今回は、オブジェクトがUV座標を持っている「平面」なので、マテリアルを適用するだけで正しく貼れます。

図102-8

 

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