CINEMA 4Dで何かを「モデリング」する際に、まず最初に考えなければいけないのは、「それを作るべきか」ということです。3DCGに限らず全ての技術に共通することですが、技術には必ず「得意」と「不得意」があります。また、3DCGにおいても、各ソフトごとに得意、不得意があります。例えばCINEMA 4Dで建築CGを作る場合、「建築物本体」は簡単に作れます。しかし、「添景」であるはずの「樹木」や「人物」を作るのは非常に困難です。このような場合、可能なら樹木や人物はCINEMA 4Dの中で作らず、レンダリング後に実写画像を2Dで合成してしまった方が楽で、しかも高品質に仕上がります。
今回は、「小物」ということで「第4世代のiPodTouch」を作りますが、その理由は「CINEMA 4Dで作りやすい」からです。同じ小物でも、「ぬいぐるみが付いた携帯ストラップ」などは非常に作りにくいので、余程のことがなければ作らない方がいいです。
中には「仕事なので作るものを自分で選べない」という人もいるかもしれません。しかし、明らかに3DCGに向いていないものを作る仕事が来た時は、理由を述べた上で断った方がいいと思います。無理して作っても、十分な品質に達しなければ、どのみちその仕事は長続きしません。
次に、何かを作ると決めた時に考えなければならないのは、「どうやって作るか(方法、手順)」ということと、「どこまで作るか(程度、品質)」ということです。これらは、クライアントの要望、納期や予算、自分の能力などから逆算して決定していくことなので、条件によって大きく変わります。つまり、一概に「この方法が一番いい」とは言えません。
例えば、今回私がこの講座で説明するモデリング方法も、「CINEMA 4Dを少し使える人が2日間で作れる」という条件の中で考えたもので、「この方法が最善である」とか「全ての場合にこの方法が使える」、というわけでは決してありません。
したがって、モデリング作業を始める前に「どうような方法で、どこまで作り込むか」、を十分に決めておくにはかなりの知識と経験が必要です。特に初心者にとっては「全く見当がつかない」かもしれません。しかし、これはとても重要なことなのです。「全く見当がつかないから、行き当たりばったりで適当に作ってみよう」では、いつまでたっても上達しません。見当がつかないなりに、計画的に作業を進めるように心がけて下さい。
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