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CINEMA 4D基礎 4: モデリング

題名 内容、及び関連する章 作成日/注記
054 モデリング ポリゴンモデリング、押し出し、別オブジェクトに分離、ブリッジ、サブディビジョンサーフェイス(SDS)、デフォーマ、オブジェクトの置き換え 2014.4.24

Step 1

ライトと影

 自動車のサンプルでは「スプライン」を基本としてオブジェクトを作りました。スプラインの利点は、「多くのアニメーション機能が連動する」ことです。これによって、修正に強いシーンを作れます。ただし、スプラインには「不規則な形状を作れない」という欠点もあります。

自動車やキャラクターのように不規則な形状を作る場合、CINEMA 4Dでは「ポリゴン」を使ってモデリングします。ポリゴンを使うと複雑な形状を作れますが、多くのポイントやポリゴンを編集する必要があり、アニメーション機能を連動させることができません。

つまり、ポリゴンモデリングすると手間がかかり、オブジェクトがデコボコになり、修正が困難になるのです。

そこで、CINEMA 4Dにはポリゴンモデリングを補助するためのアニメーション機能がいくつか備わっています。その代表的なものが「サブディビジョンサーフェイス(SDS)」と「デフォーマ」です。

この章では、下のような複雑な形状のオブジェクトを効率よくモデリングする方法について説明します。

図054-1a

ポリゴンモデリングは言葉で説明できるものではなく、ただひたすら慣れるものです。しかし、何も考えずに進めると後で全部やり直しになります。

そこで、ポリゴンモデリングの「鉄則」について、簡単に説明しておきます。

1. 可能な限りポリゴンを使わず、スプラインやプリミティブで作る。

2. ポリゴンを使う場合でも、可能なところまではスプラインやプリミティブで作る。

3. 可能な限りHyperNURBSやデフォーマを使う。

4. 適切なポリゴン数で作る。少なすぎても多すぎてもダメです。

多くの場合初心者はポリゴンを増やしすぎるので、「少なめに」と心がけてください。

5. 整った形状のポリゴンを使う。

「整った形状」とは、「正方形」と「正三角形」のことです。

図054-1b

これに対して、使ってはいけない「ダメな形状」は「折れた四角形」や「へこんだ四角形」、「細長い三角形」や「多角形(N-gon)」です。

このような形状ができてしまった場合は、三角形に分割したり、また四角形に戻したり、N-gonの場合は適切にポイントを追加してください。

 

図054-1c

折れた四角形

 

図054-1d

細長い三角形

 

図054-1e

多角形(N-gon)

 

また、ポリゴンモデリングにはいろいろな「流派」があります。この章で説明する方法は、私が考えた一つの例にすぎません。

みなさんはこの方法にとらわれず、自由にモデリングしてください。

Step 2

押し出し

 それでは、ポリゴンモデリングを始めます。まず最初に「ディスク」プリミティブを作ります。そして、「放射方向の分割数」を「1」、「回転方向の分割数」を「48」に変更します。

回転方向の分割数が48なのは、このオブジェクトに窓(柱)が12個あり、窓一つに付き4ポリゴンを割り当てているからです。この値が24では少なすぎ、72では多すぎます。そして、それ以外の分割数では作れません。

つまり、モデリングを始める前に、48という値を探し出す必要があるのです。これが、ポリゴンモデリングの難しいところです。

 

それでは、ディスクを選択して「編集可能にする」を実行します。これはIllustratorの「アウトライン化」に相当します。

次に、「ポリゴン」モードに切り替え、「ライブ選択」ツールを選択し、ポリゴンを全て選択します。または、「cmd+A」で全選択しても構いません。

次に、エディターの空いている部分を右クリックし、「面内に押し出し」ツールを選択します。この状態でエディターの中を左右にドラッグすると、選択したポリゴンが面内に押し出されます。

ただし、今回はツール属性マネージャで押し出し量を「10」と数値入力します。

CINEMA 4Dのツールは、数値を入力してもすぐには確定しません。確定するのはツールを切り替えた時です。つまり、数値をいろいろと試行錯誤できるわけです。

ただし、この仕様は同じツールを続けて実行したい場合には不便です。そのため「新規に変換」というボタンが用意されています。

新規に変換ボタンを押すと、もう一度面内に10だけ押し出されます。

次に、ポリゴンを全て選択し、「押し出し」ツールに切り替えます。この状態でエディターの中を左右にドラッグすると、選択したポリゴンが面に垂直に押し出されます。

ただし、今回はツール属性マネージャで押し出し量を「10」と数値入力します。

これで見た目は立体になったわけですが、裏返してみると底が抜けていることに気がつきます。そこで、「キャップを作成」オプションをチェックします。

すると、底ができて正しい(閉じた)立体になります。このキャップを作成というオプションは、間違って使うと大変なことになるので、注意してください。

次に、上面の外側のポリゴンを一列選択します。ライブ選択ツールでも選択できますが、なかなか大変です。

ここで、「shift」キーを押しながら選択すると、選択を追加できます。「control」キーを押しながら選択すると、選択を解除できます。

そこで、「ループ選択」という便利な機能を使います。ループ選択に切り替えてマウスポインターをオブジェクトの上に移動すると、マウスの位置に応じてある一列がハイライトされます。選択したいポリゴンがハイライトされた時に、マウスをクリックするとそのポリゴンが選択されます。

次に、再度「押し出し」ツールに切り替え、「20」押し出します。ただし、最初の押し出しに比べて押し出し量が大きいので、「分割数」を「1」に変更してポリゴンの大きさをそろえます。

細かいことですが、こうした配慮がポリゴンモデリングでは大切です。

また、見た目では判りませんが、ポリゴン内部に不正なポリゴンができているので、「キャップを作成」オプションを外します。

この不正なポリゴンは、モデリング中はなかなか気がつかないのですが、後でSDSを適用したり、レンダリングする段階で問題になり、結局作り直すことになります。

これで、Podの下半分が完成です。

図054-2

Step 3

別オブジェクトに分離

 次に、ループ選択ツールで上向きのポリゴンを一列選択します。そして、「別オブジェクトに分離」ツールを選択します。今回は、最終的に一個のオブジェクトにまとめてしまうので別オブジェクトに分離する必要はないのですが、この方法を知っておくと、将来役に立つはずです。

次に、「モデル」モードに切り替え、分離したオブジェクトを上に「100」移動します、ここで、ポリゴンを移動したい場合は「ポリゴン」モード、オブジェクトを移動したい場合は「モデル」モードになることに注意してください。

これはIllusutratorの「選択」ツールと「ダイレクト選択」ツールの関係と同じです。

次に、「ポリゴン」モードに戻り、分離したポリゴンを全て選択し、「押し出し」ツールを選択します。

「押し出し量」と「分割数」の値はそのままでいいのですが、今回は底が必要なので、再度「キャップを作成」オプションをチェックします。

これで、Podの上側が完成したので、二つのオブジェクトを選択し、「オブジェクトを一体化+消去」を実行して一個のオブジェクトに戻します。

図054-3

Step 4

ブリッジ

 次に、下半分の上向きポリゴンと、上半分の下向きポリゴンを一列ずつ選択します。そして、「control」キーを押しながら、ポリゴンの選択を二個ずつ解除していきます。この時、上の選択位置と下の選択位置がずれないように注意してください。

ポリゴンを正しく選択解除できたら、「ブリッジ」ツールを選択します。

そして、上下の対応するポリゴンをドラッグでつないでいきます。すると、ポリゴンの間に柱ができます。

この時、対応するポイントをつなぐように注意してください。ポイントがずれているとねじれた柱ができます。

これで形状は完成です。

図054-4

Step 5

サブディビジョンサーフェイス(SDS)

 次に、「サブディビジョンサーフェイス」オブジェクトを追加して、Podの形状を丸めます。ただし、このままでは柱の部分のポリゴンが縦に延びてしまいます。これは、上下の部分に比べて柱部分のポリゴンが大きすぎるからです。

そこで、「エッジ」モードに切り替え、「ライブ選択」ツールを使って柱部分を全て選択します。

ところが、回してみると後ろ側が選択されていないのがわかります。

実は、選択ツールはデフォルトで見えないエレメント(ポイントやエッジ、ポリゴンをまとめてこう呼ぶ)を選択しないようになっているのです。ツール属性マネージャで「可視エレメントのみ選択」のチェックを外せば、裏側を含めて全部選択できるようになります。

次に、「エッジカット」ツールを選択します。分割数は「9」です。

ただし、デフォルトでは「N-gonを作成」オプションが効いているので、ポリゴンは増えません。直線の中にポイントが増えるだけです。「N-gonを作成」オプションは外せば、全てのポリゴンがきれいに分割され、きれいに丸くなります。

これで分割を含めてポリゴンモデリングは全て完了です。

図054-5

Step 6

デフォーマ

 ポリゴンモデリングは完了しましたが、オブジェクトの形状はまだ完成していません。ここからはデフォーマを使ってモデリングしていきます。デフォーマは、本来アニメーションのための機能ですが、CINEMA 4Dでは重要なモデリング機能でもあります。よく3DCADから入ってきた人が「CINEMA 4Dにはモデリング機能が足りない」と言いますが、それはデフォーマを調べていないからです。

CINEMA 4Dにおいて、「静止画」は「アニメーションの一コマ」だということを忘れないでください。

それでは、「ツイスト」デフォーマを作成し、「ディスク」の下に入れます。デフォーマは、自分の親と兄弟オブジェクトを階層を含めて変形させます。子供や親の親オブジェクトは変形させません。

もし、一部のオブジェクトを変形させたくない場合は、「くさび」タグを適用して制限してください。

次に、「ツイスト」の「サイズ」を「200」に、「Y位置」を「100」に上げます。この状態でデフォーマの上部にあるオレンジ色のハンドルをドラッグすると、オブジェクト全体がねじれます。

このねじれは後からどうにでも変えられますし、アニメーションすることもできます。モデリングツールよりも遥かに便利なので、CINEMA 4Dにはオブジェクトをねじるためのモデリングツールは入っていないのです。

同様に「テーパー」デフォーマを作成し、ディスクの下に入れます。デフォーマはいくつでも重ねることができ、上から順番に変形を実行していきます。この場合はほとんど変わりませんが、デフォーマを置く順番によって形状が大きく変わる場合もあります。

これで全てのモデリングが終了です。

図054-6

Step 7

オブジェクトの置き換え

 モデリングは終了しましたが、ライティングやマテリアルがないと寂しいので、今作ったオブジェクトをサンプルファイルのオブジェクトに置き換えてみましょう。まず、講習会のページの最後からサンプルファイル「054」を落とします。そして、とりあえずレンダリングしてみます。

次に、このシーンの「サブディビジョンサーフェイス」を削除し、ウインドウメニューから元のシーンに戻ります。そして、今作った「サブディビジョンサーフェイス」を選択し、コピーします。そして、またウインドウメニューからシーン054に戻り、ペーストします。

この状態ではマテリアルがついていないので白いままですが、照明はそれなりに表現されます。そして、金属のマテリアルを適用すれば、サンプルと同じ質感のオブジェクトを簡単に表現できます。

さらに、マテリアルを変更すればいろいろなバリエーションを作り出すことができます。

CINEMA 4Dの実際の制作作業では、全てのオブジェクトやシーンを順番に作っていくことはまずありません。このように古いシーンを流用したり、複製して変更することで効率よく作っていきます。

ここまでのシーンファイル

図054-7

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