アニメーションにネットワークレンダリングは欠かせません。GIアニメーションの場合はなおさらです。ネットワークレンダリングは一度使ったらやめられないとても便利な機能ですが、「未だに使ったことがない」という人が多いので、ここで詳しく解説します。1. TeamRenderは、簡単に言うと「レンダリング作業を多数のコンピュータに分散する」機能です(サンプル073c)。
2. 分散する単位は「フレーム単位(一枚単位)」です。
実は、TeamRenderは静止画のネットワークレンダリングができます。つまり、フレームをさらに小さな「パケット」というタイルに分割して、複数のコンピューターに分散できます。しかし、効率が悪いので、この機能は使わないことをお勧めします(サンプル073a)。
3. TeamRenderには、「作業全体を管理するソフト」と「ひたすらレンダリングするソフト」の二種類があります。管理するソフトは「TeamRenderサーバー」と呼ばれ、ネットワーク上に一つしかありません。レンダリングするソフトは「TeamRenderクライアント」と呼ばれ、たくさんあります。
ここで、サーバーが管理できるTeamRenderクライアントの数はグレードごとに違っていて、BroadcastとVisualizeが3台、Studioは無制限になっています。Primeでは、TeamRenderは使えません。
4. TeamRenderサーバーとTeamRenderクライアントは、CINEMA 4D本体をインストールした時に、同じフォルダに自動的にインストールされます。
5. TeamRenderサーバーは、LAN(ローカルエリアネットワーク)からだけでなく、インターネットからアクセスすることもできます。つまり、会社のTeamRenderが実行しているレンダリングを自宅でチェックしたり、レンダリングした画像をダウンロードしたり、修正したシーンファイルをアップロードすることができます。ここが一番便利な点です。
TeamRenderサーバーにアクセスするには、Safari等のブラウザを使います。もちろんスマートフォンやタブレットも使えます。
ただし、インターネットからTeamRenderサーバーにアクセスするには、ルーターが「固定IP」を持っている必要があります。また、ルーターに対してTeamRenderサーバーをインストールしたコンピュータに、「8080番」ポートを転送するように設定しておく必要があります。
6. TeamRenderは、MacとPCの両方で使えます。MacとPCが混在していても大丈夫です。
ただし、次の3点に注意してください。
6a. MacとWindowsではフォントが異なる。
MoTextやテキストスプラインを使うと、ほとんどの場合フォントが変わります。
6b. MacとWindowsでは、ファイル名に使える文字の制限が違う。
例えば、ファイル名に「¥<>*」等の文字を含めた場合、Macでは実行できますが、Windowsでは実行できません。
6c. MacとWindowsではカラープロファイルが異なる場合がある。
特にムービーのコーデックは、バージョンやOSの違いによって色が変わる場合があります。このような場合は、ムービーを連番静止画に分解して使います。
図073-2
7. Automater等OSのスクリプト機能を使えば、TeamRenderが終了した時にアニメーションをメールに添付して送信することもできます。
図073-3
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