基本的に、夜景は昼間のシーンの「環境(背景)」と「照明(ライトオブジェクトや発光するマテリアル)」を変更することで作ります。この時、照明は可能な限り図面通りに配置するようにしてください。また、図面に存在しない照明や、物理的におかしい照明(影のないライトや減衰しないライト)は絶対に置かないようにしてください。夜景は、昼間のシーンに比べてコントラストが高いので、シーンの作成もレンダリングの設定も数倍難しくなります。また計算時間も数倍かかります。そして、このような状況でGIエリアライトの設定が非常に重要になります。特に壁の裏側に照明機器を隠す間接照明は、ほとんどの場合はGIエリアライトで表現します。 図072-9それでは、まず背景を夜にしてレンダリングしてみます。照明を入れていないので、廃墟のような絵になりますが、絵自体はきれいです(サンプル072f)。次に、橋の下と窓の裏に間接照明を入れてレンダリングしてみます。この段階では、まだGIエリアライトオプションは入れていません。つまりただの発光するマテリアルです。
このシーンで間接照明を使った理由は、間接照明の設定が一番難しいからです。間接照明をきれいにレンダリングできるようになれば、その他の照明は全てきれいに表現できるはずです。
次にGIエリアライトオプションを入れてレンダリングしてみます。GIエリアライトオプションを入れると、GIの計算が2倍になるので、レンダリング時間も1.5倍程度長くなります。
しかし、画質はそんなに変わりません。理由は、発光させた部分がそれなりに大きく、それほど明るくなく、裏に隠れていたからです。
条件によりますが、間接照明はGIエリアライトの効果が出にくい照明だと言えます。ただし、それでもGIエリアライトを入れておくことをお勧めします。
それでは、次にGIエリアライトの効果がはっきりわかる照明について説明します。
図072-10
このシーンでは、入り口の両側に小さな立方体状の照明機器を配置し、明るさ5000の発光するマテリアルを適用しています。オブジェクトが小さく、明るく、直接見えているので、非常に大きなノイズが発生します。
それでは、発光するマテリアルにGIエリアライトオプションを入れてレンダリングしてみます。すると、ノイズが十分きれいに収まります。
最後に、CINEMA 4D R15とR16のバグについて説明します。GIエリアライトは、建築や内装のCGを作る際に欠かせない機能ですが、R15とR16には「シーンに大きなオブジェクトを置くと絵が破綻する」というバグがあります。
この点に注意して、もしGIエリアライトオプションを入れた結果ノイズが増えるような場合は、シーンから大きなオブジェクトを削除するようにしてください。
図072-11
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