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カテゴリ: アニメーション基礎

アニメーション基礎01: 4種類のアニメーション

アニメーション基礎

レベル/ 対象者:中級/ MoGraphをある程度使える人
対象ソフトウエア、プラグイン:CINEMA 4D R14 Broadcast以上
冨士 俊雄/ gtofuji@gmail.com
章番号 題名 内容、及び関連する章やサンプルファイル 作成日/注記
201 1_4種類のアニメーション 2015.3.26

 

Step 1

はじめに

  CINEMA 4Dには多くのアニメーション機能があります。もちろん伝統的なキーフレームを使ったアニメーションも作れますが、以下のような理由からキーフレームだけでアニメーションを作ることは現在ほとんどありません。 

1. 複雑な動きを表現できない。

複数のオブジェクトが衝突したり連動するアニメーションで、一個一個のオブジェクトにキーを打つのは不可能です。

2. 多数のオブジェクトを動かせない。

オブジェクトが100個を超える場合、キーで動かすのは困難です。

3. 修正が難しい。

キーフレームアニメーションでは必然的にキーが多くなり、修正が難しくなります。

そこで、この講座ではキーフレームアニメーションとCINEMA 4Dのアニメーションを比較し、その違いについて詳しく説明します。

 

 

Step 2

4種類のアニメーション

  まず4種類の方法を使ってオブジェクトを動かし、その利点と欠点について考えてみましょう。1. オブジェクトの「位置」に直接キーを打って動かすアニメーション。

キーフレームアニメーションは簡単で、他のソフトとデータのやり取りができる、という利点があります。

しかし、複雑な動きをつけるにはキーを増やすしかなく、どんどん重くなり、編集も困難になります。

図201-2a

説明ムービー

サンプルファイル

 

2. オブジェクトをスプライン(パス)に乗せ、「スプライン上の位置」にキーを打って動かすアニメーション。

CINEMA 4Dで一番よく使われるのが、スプラインを使ったアニメーションです。

スプラインを使えば、複雑な動きでも二つのキーでコントロールできます。また、スプラインに沿ってオブジェクトを作ったり、デフォーマで変形させたり、スプラインそのものをデフォーマで変形させたりと、他の多くの機能を組み合わせることができます。

作業的には一手間増えますが、難しいというほどではありません。

図201-2b

説明ムービー

サンプルファイル

 

3. MoGraphオブジェクトにイフェクターを適用し、「イフェクターの値」にキーを打って動かすアニメーション。

多数のオブジェクトをいろいろなルールにしたがって動かす機能がMoGraphです。MoGraphを使えば、オブジェクトの数に関係なく数個のキーで複雑なアニメーションを作れます。

MoGraphは非常によくできていて、初心者が簡単に使うことも、上級者が難しく使うこともできます。また、Alembicを使えば、他のソフトにデータを移すこともできます。

図201-2c

説明ムービー

サンプルファイル

 

4. オブジェクトにユーザーデータとXPressoを適用し、「ユーザーデータ」にキーを打って動かすアニメーション。もしくは、キーフレームの代わりに「条件」を使って動かすアニメーション。

エクスプレッションは最も強力なアニメーション機能です。確かにエクスプレッションを作るのは難しく、面倒ですが、それ以上に作業を効率化し、不可能を可能にしてくれます。

図201-2d

サンプルファイル

 

 

 

Step 3

キーとタイムラインの扱い

  キーフレームアニメーションは単純で、CINEMA 4Dでも他のソフトと同じように作れます。ただし、インターフェイスはソフトごとに違っているので、ここでは、CINEMA 4Dでキーフレームアニメーションを作る際の流れを説明します。まず、キーはオブジェクトの属性マネージャーでパラメーター名の右にあるボタンをクリックして打ちます。キーを削除したい場合は、もう一度クリックします。トラックごと削除したい場合は、control+shift+クリックします。

オブジェクトの属性マネージャは、基本的に「現在の値」を表示、記録する場所なので、キーは必ず現在タイムマーカーがある時点に作成されます。もし、既にその時点にキーがある場合は上書きされます。

キーを打つと、自動的にキーの間が補間されます。デフォルトの補間方法はプロジェクト設定で指定できます。もちろん後で個別に補間方法を変更することもできます。

エディターの下にはタイムマネージャという横長のウインドウがあります。これは一行だけの簡易版タイムラインで、ここでもキーを選択したり、動かしたり、削除できます。

タイムマネージャでキーを選択すると、アニメーションの属性マネージャにそのキーの時点と値が表示されます。また、キーの補間方法やイーズイン、イーズアウトも編集できます。

次にタイムラインに移ります。タイムラインで直接キーを打つこともできますが、ある程度属性マネージャーでアニメーションを作成し、その後タイムラインでタイミングやイーズイン、イーズアウトを微調整する、という使い方が楽だと思います。

タイムラインには、二つの表示モードがあります。基本的にどちらのモードでも全てのパラメーターを編集できますが、キーモードはキーのタイミングを編集したい場合に、Fカーブモードはキーの間の変化を編集したい場合に使います。

タイムラインでキーを選択すると、アニメーションの属性マネージャにキーの時点と値が表示されます。これはタイムマネージャで選択した場合と同じです。また、トラックを選択すると、トラックのパラメータが表示され、アニメーションの繰り返しや、タイムコントロールを編集できます。

この他、タイムラインには表示や選択に関するいくつかの機能があります。例えば、タイムラインのデフォルトは自動モードですが、オブジェクトをドラッグアンドドロップすると手動モードに切り替わります。

また、オブジェクトマネージャとタイムラインの表示や選択は、デフォルトではリンクしていませんが、オプションでリンクできます。

CINEMA 4Dでは、AfterEffects等と違って位置や回転のXYZの値が独立しています。これは、独立していた方がエクスプレッション等で扱いやすいからです。XYZの値を一体で扱いたい場合は、次のステップで説明するスプラインを使うようにしてください。

図201-3

 

アニメーション基礎02: スプライン

アニメーション基礎

レベル/ 対象者:中級/ MoGraphをある程度使える人
対象ソフトウエア、プラグイン:CINEMA 4D R14 Broadcast以上
冨士 俊雄/ gtofuji@gmail.com
章番号 題名 内容、及び関連する章やサンプルファイル 作成日/注記
202 2_スプライン 2015.3.26

Step 1

スイープとレール

 スプラインは太さがないので、そのままでは目に見えません。しかし、スイープを使えば立体化できます。

スイープを使うと、単にオブジェクトを作るだけではなく、ねじったり成長させることもできます。

また、スイープオブジェクトに沿ってマテリアルの色を変えたり、テクスチャを流すこともできます。

図202-1a

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サンプルファイル

 

さらに、スプラインに沿ってオブジェクトを動かすこともできます。スプラインに沿ってオブジェクトを動かすには「スプラインに沿う」タグを使います。オブジェクトの向きをコントロールするには、二本のスプラインを使います。この時、メインのスプラインを「パス」、ガイドのスプラインを「レール」と呼びます。

スプラインに沿ってオブジェクトを動かす場合、スプライン上の位置を0から100%の間の値で指定します。また、スプラインのポイント密度や曲率に関係なくオブジェクの速度を一定に保ちたい場合は、スプラインの補間法を「均等」にします。

図202-1b

 

 

Step 2

スプラインに沿って並べる

 スプラインに沿って多数のオブジェクトを動かしたい場合、ステップ2で説明した「スプラインに沿う」を使う方法では大変です。このような場合もMoGraphのクローナーを使います。

図202-2

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サンプルファイル

 

 

Step 3

スプラインに沿って変形させる

 スプラインラップデフォーマを使うと、スプラインに沿ってオブジェクトを変形できます。

「スプラインラップ」の使い方は「スプラインに沿う」に似ていて、レールスプラインでオブジェクトの向きをコントロールできます。また、長さの扱いや、スプラインの端での扱いを指定できます。

図202-3

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サンプルファイル

 

 

Step 4

スプラインを変形させる

  デフォーマを使うと、スプラインを変形できます。そして、そのスプラインが他のアニメーションのガイドになっている場合、他のアニメーションも変形します。

図202-4

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サンプルファイル

 

アニメーション基礎03: MoGraph

アニメーション基礎

レベル/ 対象者:中級/ MoGraphをある程度使える人
対象ソフトウエア、プラグイン:CINEMA 4D R14 Broadcast以上
冨士 俊雄/ gtofuji@gmail.com
章番号 題名 内容、及び関連する章やサンプルファイル 作成日/注記
203 3_MoGraph 2015.3.26

Step 1

MoGraphカラーシェーダー

  MoGraphのアニメーションについては、「MoGraph基礎」の講習会である程度説明しています。そこで、この章では、MoGraph基礎で説明しきれなかった機能について重点的に説明します。

MoGraphにはクローンのカラーをコントロールする機能があります。ただし、この「カラー」はカラーチャンネルのカラーであって、発光チャンネルや透過チャンネルのカラーではありません。
ところが、MoGraphカラーシェーダーを使うと、クローンのカラーを使って発光チャンネルや透過チャンネルのカラーを変えられるようになります。

ここでは、一番簡単な例として発光と透過チャンネルのカラーを変えますが、クローンのカラーを使って変異やアルファチャンネルなど特殊なチャンネルをコントロールすれば、非常に面白い表現ができるはずです。

図203-1a

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サンプルファイル

 

図203-1b

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Step 2

MoGraphマルチシェーダー

 MoGraphマルチシェーダーは、クローンに多数のテクスチャを貼るためのシェーダーです。

クローンにテクスチャを割り当てるためのルールとしては、「ランダム」と「順番」、「カラー」があります。

ランダムに貼る場合は、ランダムイフェクターを使ってクローンのカラーをランダムに変えます。
順番に貼る場合は、直接貼るか、ステップイフェクターを使ってクローンのカラーを順番に変えます。
カラーで貼る場合は、シェーダーイフェクターで写真等を使ってクローンのカラーを変えます。

順番は規則的なテクスチャを貼る場合、カラーはモザイクやコラージュのような絵画的な表現をする場合によく使われます。ただし、これはあくまでも例であって、工夫次第でもっといろんなことができるはずです。

ここでは、順番の例としてトランプを作ってみましょう。
まずマテリアルを作成し、マルチシェーダーにトランプのテクスチャ52枚を読み込みます。
次に、トランプオブジェクトを作成し、クローナーを使って13行4列に並べます。

さらに、トランプをまとめた状態を作成し、継承イフェクターでトランプを配るアニメーションを作ってみましょう。MoGraphを活用すると、このアニメーションをたった2個のキーフレームで表現できます。

図203-2a

説明ムービー

サンプルファイル

 

次に、ランダムイフェクターや簡易イフェクターを使ってテクスチャを差し替えるサンプルを作ります。
ここでは、数字のテクスチャを使いました。

図203-2b

説明ムービー

 

図203-2c

説明ムービー

 

 

Step 3

複数のMoGraphオブジェクトやイフェクタを重ねる

 MoGraphオブジェクト(クローナー等)はいくらでも重ねられます。また、MoGraphイフェクターもいくらでも重ねられます。簡単なシーンでも2〜3個、複雑なシーンの場合は10個程度重ねることもあります。

MoGraphオブジェクトを重ねるには、単に階層化します。この考え方は、スイープやデフォーマ等従来のCINEMA 4Dオブジェクトと同じです。

MoGraphイフェクタを重ねるには、MoGraphオブジェクトを選択した状態でイフェクタを生成します。この時、イフェクタをかける順番によって効果が変わるので注意してください。
また、MoGraphイフェクターの名前には、必ず「順番」、「適用オブジェクト」、「働き」等を追加してください。そのままだとすぐに判らなくなります。
また、イフェクタそのものはMoGraphオブジェクトで複製できないので、必ず階層の外に出すようにしてください。

図203-3

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サンプルファイル

 

 

Step 4

ディレイイフェクタで余韻をつける

 MoGraphイフェクターの中には、「他のイフェクターの働きにイフェクトをかける」という特殊な働きを持ったものもあります。それがディレイイフェクターです。
ディレイイフェクターは、他のイフェクターの効果に「遅れ」や「余韻」、「オーバーシュート」を追加します。ディレイイフェクターは一種の隠し味なので、あらゆるシーンで使えます。

ディレイイフェクターを使う時は特に順番に注意してください。ディレイイフェクターは、他のイフェクターにイフェクトをかける機能なので、他のイフェクターの後に置かないと働きません。

図203-4

説明ムービー

サンプルファイル

 

アニメーション基礎04: XPresso

アニメーション基礎

レベル/ 対象者:中級/ MoGraphをある程度使える人
対象ソフトウエア、プラグイン:CINEMA 4D R14 Broadcast以上
冨士 俊雄/ gtofuji@gmail.com
章番号 題名 内容、及び関連する章やサンプルファイル 作成日/注記
204 4_XPresso 2015.3.26

 

Step 1

オブジェクトを連動させる

 第1章では、比較のためにキーフレームでも作れるアニメーションをXPressoに置き換えました。しかし、XPressoが真価を発揮するのは、キーフレームでは難しい動きや、不可能な動きを作る場合です。この章では、そのような例についていくつか説明します。

まず、XPressoがよく使われるのはオブジェクトを連動させる場合です。例えば自動車が走る時、それに連動してタイヤが回転します。この二つの動きを別々にキーフレームで作ることは、不可能ではありませんが非常に面倒です。

このような場合、XPressoを使ってタイヤの回転を自動車の動きに連動しておくと、アニメーションの編集が非常に楽になります。

図204-1a

説明ムービー

サンプルファイル

 

さらに、キャタピラも作ってみましょう。大したことはありません。

キャタピラはMoGraphオブジェクトで作成し、タイヤの回転の代わりにオフセットの値を変えます。

図204-1b

説明ムービー

 

最後に、現在のXPressoの作りでは、自動車の進行方向に関係なくタイヤやキャタピラが一方向に動いてしまいます。これは、自動車の向きと進行方向を「内積」という機能を使って比較することで解決できます。

図204-1c

 

 

Step 2

衝突した場所からThinkingParticlesを出す

 MoGraphマルチシェーダーは、クローンに多数のテクスチャを貼るためのシェーダーです。クローンにテクスチャを割り当てるためのルールとしては、「ランダム」と「順番」、「カラー」があります。

ランダムに貼る場合は、ランダムイフェクターを使ってクローンのカラーをランダムに変えます。

順番に貼る場合は、直接貼るか、ステップイフェクターを使ってクローンのカラーを順番に変えます。

カラーで貼る場合は、シェーダーイフェクターで写真等を使ってクローンのカラーを変えます。

順番は規則的なテクスチャを貼る場合、カラーはモザイクやコラージュのような絵画的な表現をする場合によく使われます。ただし、これはあくまでも例であって、工夫次第でもっといろんなことができるはずです。

ここでは、順番の例としてトランプを作ってみましょう。

まずマテリアルを作成し、マルチシェーダーにトランプのテクスチャ52枚を読み込みます。

次に、トランプオブジェクトを作成し、クローナーを使って13行4列に並べます。

さらに、トランプをまとめた状態を作成し、継承イフェクターでトランプを配るアニメーションを作ってみましょう。MoGraphを活用すると、このアニメーションをたった2個のキーフレームで表現できます。

図204-2a

説明ムービー

サンプルファイル

 

次に、ランダムイフェクターや簡易イフェクターを使ってテクスチャを差し替えるサンプルを作ります。

ここでは、数字のテクスチャを使いました。

図204-2b

 

図204-2c