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R16用GI基礎02: GIの詳細

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R16 GI基礎

レベル/ 対象者:基礎/CINEMA 4Dを少し使えて、GIの設定に困っている人
対象ソフトウエア、プラグイン:CINEMA 4D R16 Broadcast以上
知らない設定はいじらない。
冨士 俊雄/ gtofuji@gmail.com
章番号 題名 内容、及び関連する章やサンプルファイル 作成日/注記
072 2_GIの詳細 しきい値、表面粗さ、QMC、アンチエイリアス、コンポジットタグ、サチュレーション、GIエリアライト、夜景、間接照明、GIエリアを個別サンプリング、全ピクセルでサンプリング、GIの精度、GIの精度、GIアニメーションの設定 2015.2.10
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Step 1

はじめに

  この章の説明は、表面的にはR14用のGI基礎に似ています。しかし以下のような理由から、考え方や実際の値はかなり異なっています。1. R15でGIの計算方法が大きく変わった。2. コンピューターが速くなった。その結果、シーンの編集に時間をかけるよりも、コンピューターのパワーに任せてレンダリングしたほうが速くなってしまいました。3. R13でフィジカルレンダラーが導入された。その結果、アンチエイリアスやAO、鏡面反射や屈折の表面粗さ(R14のぼけた鏡面反射)の設定が簡単になりました。

したがって、CINEMA 4DをR15以降にアップデートした場合は「GIがかなり変わっている」という点に注意してください。また、GIの計算速度に関しては、確実に遅くなっているので、それを覚悟して使うようにしてください。

 

 

Step 2

しきい値

 CINEMA 4Dに限らず、光線の鏡面反射や屈折(レイトレーシング)を計算できる3DCGソフトは、必ず計算を打ち切る機能を持っています。なぜなら、「鏡の部屋」のようなシーンをレンダリングした場合、光が無限に鏡面反射してレンダリングが終わらなくなってしまうからです。計算を打ち切るには、光線が屈折、鏡面反射した回数で切る方法と、光線の明るさで切る方法の二つがあります。回数に関しては、ほとんどの場合デフォルトのままで大丈夫です。しかし、明るさに関しては微妙な調整が必要です。なぜなら、光線が明るいうちに打ち切ると絵がおかしくなるし、暗い光線まで計算するとレンダリング時間が延びてしまうからです。この、光線の計算をどこで打ち切るかを決めるのがしきい値です。それでは、しきい値の値によってどのような問題が起こるか見てみましょう。図072-3

 

下の図072-4aはしきい値が「0.1」の絵、図072-4bはしきい値が「2」の絵です。

図071-4a

図071-4b

 

このように、しきい値の値を大きくしすぎると鏡面反射が突然なくなり、絵がおかしくなるので注意してください。しきい値の値は、まず「1」を基準とし、鏡面反射の問題が発生するようなら、「0.5」ぐらいまで下げることをお勧めします。

 

次に建物の内観を使って画質とレンダリング時間を比較してみます(サンプル072b)。

図072-5

 

上にも書いたように、しきい値はGIだけでなく、鏡面反射、屈折、影、AOなど多くの機能に影響を与えます。そして、その中にはしきい値の影響を受けやすい機能と、受けにくい機能があります。

例えば、壁が白い部屋でGIを計算した場合、反射した間接光はほとんど減衰しません。つまり、しきい値に引っかかるほど暗くならないのです。したがって、この場合しきい値を変えてもレンダリング時間はほとんど変わらず、画質も変わりません。

ところが、白い壁に鏡面反射を追加すると大きな差が出てきます。なぜなら、白い壁の鏡面反射にはフレネル(光線が入射する角度によって反射率が変化する効果)がかかっていて、浅い角度では数%になるからです。つまり、ほとんどの光は2〜3回反射するとしきい値より暗くなります。

したがって、鏡面反射の計算ではしきい値を適切に調整することで、普通は1〜2割、場合によっては3割程度レンダリング時間を短縮できます。

 

 

Step 3

アンチエイリアス

 アンチエイリアスの考え方は、標準レンダラーとフィジカルレンダラーで大きく異なります。標準レンダラーのアンチエイリアスについては、R14用のGI基礎を参照してください。フィジカルレンダラーの場合、アンチエイリアスの設定は非常に簡単で、基本的にデフォルトのままいじる必要はありません。アニメーションでノイズが目立つ場合、値を少し上げることはありますが、静止画の場合は解像度を上げてしまった方がいい結果が得られます。図072-6

 

Step 4

サチュレーション

 次に室内に戻ります。そして、壁や天井を鏡面反射無しのマテリアルに戻し、床の色をオレンジに変えてみましょう。 図072-7床のオレンジが部屋全体に盛大に「色映り」しています。これは決して間違いではないのですが、絵的にはよくありません。理由は、このような環境に置かれると、人間の目は自動的にオレンジを弱めて見るようにできているからです。もちろんレンダリング後に色補正をかけてもいいのですが、そのままだと、床のオレンジまで補正されてしまいます。そこでGIの機能を使って、床のオレンジはそのままに壁の色移りだけを弱くしてみましょう。オレンジのマテリアルの「GIと照明モデル -> GIを生成」の右にある「サチュレーション(彩度)」を下げると、オレンジのマテリアルが生成する間接光の強度はそのままで、彩度だけを下げることができます。これは、物理的には不正な操作ですが、絵作りの機能としては非常に有用です(サンプル072e)。

 

 

Step 5

GIエリアライト

  GIエリアライトは、基本的には発光するマテリアルです。発光するマテリアルは、ライトからの光を受けなくても自ら光を出し、周囲のオブジェクトを照明できます。発光するマテリアルをよく使うのは、テレビの画面、空、照明機器(やそのシェード)等です。発光するマテリアルには多くの利点があります。例えば、面状や線状のライトを簡単に作れる、設定が簡単、計算が速い、絵が自然できれいなどです。したがって、現在面状や線状のライトを作るときにライトオブジェクトは使いません。ただし、発光するマテリアルはライトのような特別な存在ではないので、極端に明るいマテリアルを小さなオブジェクトに適用すると、ノイズが増えてきます。例えば、壁面モニターのような大きなオブジェクトに明るさ100程度の発光するマテリアルを適用する場合、問題はありません。しかし、小さな電球に明るさ1000以上の発光するマテリアルを適用すると、多くの場合ノイズが発生します。GIエリアライトオプションを使うと、この問題を解決できます。GIエリアライトは、言ってみればそのマテリアル(が適用されたオブジェクト)を特別扱いする機能であり、他のオブジェクトにそのオブジェクトを注目させる機能です。マテリアルのGI設定にある「GIエリアライト」オプションをチェックすると、そのマテリアルはGIエイアライトになります。GIエリアライトは、発光するマテリアルに関するオプションなので、発光チャンネルが働いている場合だけ選択できます。

図072-8

 

Step 6

夜景を作る

  基本的に、夜景は昼間のシーンの「環境(背景)」と「照明(ライトオブジェクトや発光するマテリアル)」を変更することで作ります。この時、照明は可能な限り図面通りに配置するようにしてください。また、図面に存在しない照明や、物理的におかしい照明(影のないライトや減衰しないライト)は絶対に置かないようにしてください。夜景は、昼間のシーンに比べてコントラストが高いので、シーンの作成もレンダリングの設定も数倍難しくなります。また計算時間も数倍かかります。そして、このような状況でGIエリアライトの設定が非常に重要になります。特に壁の裏側に照明機器を隠す間接照明は、ほとんどの場合はGIエリアライトで表現します。 図072-9それでは、まず背景を夜にしてレンダリングしてみます。照明を入れていないので、廃墟のような絵になりますが、絵自体はきれいです(サンプル072f)。次に、橋の下と窓の裏に間接照明を入れてレンダリングしてみます。この段階では、まだGIエリアライトオプションは入れていません。つまりただの発光するマテリアルです。

このシーンで間接照明を使った理由は、間接照明の設定が一番難しいからです。間接照明をきれいにレンダリングできるようになれば、その他の照明は全てきれいに表現できるはずです。

次にGIエリアライトオプションを入れてレンダリングしてみます。GIエリアライトオプションを入れると、GIの計算が2倍になるので、レンダリング時間も1.5倍程度長くなります。

しかし、画質はそんなに変わりません。理由は、発光させた部分がそれなりに大きく、それほど明るくなく、裏に隠れていたからです。

条件によりますが、間接照明はGIエリアライトの効果が出にくい照明だと言えます。ただし、それでもGIエリアライトを入れておくことをお勧めします。

それでは、次にGIエリアライトの効果がはっきりわかる照明について説明します。

図072-10
このシーンでは、入り口の両側に小さな立方体状の照明機器を配置し、明るさ5000の発光するマテリアルを適用しています。オブジェクトが小さく、明るく、直接見えているので、非常に大きなノイズが発生します。

それでは、発光するマテリアルにGIエリアライトオプションを入れてレンダリングしてみます。すると、ノイズが十分きれいに収まります。

 

最後に、CINEMA 4D R15とR16のバグについて説明します。GIエリアライトは、建築や内装のCGを作る際に欠かせない機能ですが、R15とR16には「シーンに大きなオブジェクトを置くと絵が破綻する」というバグがあります。

この点に注意して、もしGIエリアライトオプションを入れた結果ノイズが増えるような場合は、シーンから大きなオブジェクトを削除するようにしてください。

図072-11

 

Step 7

GIエリアライト、全ピクセルでサンプリング

  一般的にイラディアンスキャッシュモードでGIを計算する場合、オブジェクトの表面を適当な間隔でサンプリングして明るさを決定します。そして、サンプルポイントの間はなめらかに補間されます。ほとんどの場合この方法は一番速くてきれいな方法なのですが、一つだけ弱点があります。それは、影がボケることです。この問題を解決するために、GIエリアライトには「全ピクセルでサンプリング」というオプションがあります。このオプションを選択すると、GIエリアライトから出た最初の光(直接光)だけがQMCモードでレンダリングされます。QMCモードは、サンプリングをせず全てのピクセルに対してGIの計算をするため、影を含めて正確できれいな絵を生成できますが、イラディアンスキャッシュモードの何十倍もの時間がかかります。そこで、GIエリアライトから出た光の中で影に対する影響の大きい最初の光だけを正確なQMCで計算し、それ以外の光は効率のいいイラディアンスキャッシュで計算させるわけです。全ピクセルでサンプリングオプションを使うと、計算時間が2倍程度長くなります。しかし、GIエリアライトを多用している場合は使うことをお勧めします。それに対して、もともと影がシャープに出るライトオブジェクトを多用している場合や、絵的に影が重要でない場合は使う必要ありません。図072-12

 

Step 8

コンポジットタグ、GIの精度

  GIエリアライトは発光する側に対する設定でしたが、ここでは光を受ける側に対する設定について説明します。一般的に、絵の中にはノイズが目立ちやすい部分と目立ちにくい部分があります。例えば白い壁は目立ちやすく、黒い壁は目立ちにくいといえます。しかし、CINEMA 4Dは両方を同じ精度で計算します。理由は、計算するまでそれが白いか黒いかわからないからです。また、絵の中には重要な部分とそうでない部分があります。例えば建物の玄関は重要な部分で、裏口はそうでないといえます。しかし、CINEMA 4Dは両方を同じ精度で計算します。理由は、CINEMA 4Dには常識がないからです。このような場合、人間の目から見て絵の中の気になる部分だけ計算精度を上げられれば便利です。コンポジットタグの中のGI設定を使うと、オブジェクト単位でGIの計算精度を上げたり下げたりできます。 図072-13

 

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