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R14用: 照明基礎04: GIエリア

R14 照明基礎

レベル/ 対象者:基礎/CINEMA 4Dを少し使える人。
対象ソフトウエア、プラグイン:CINEMA 4D R14 Broadcast以上
参考とする写真を見る。よく見る。もう一度見る。そして自分でも写真を撮ってみる。
冨士 俊雄/ gtofuji@gmail.com
このテキストはR14用です。R13以前のCINEMA 4Dを使っているユーザーは照明基礎を参照して下さい。
章番号 題名 内容、及び関連する章やサンプルファイル 作成日/注記
044 4_IBL IBL、イメージベースドライティング、実写合成、HDRパノラマ、空オブジェクト、空/スカイを個別サンプリング、スカイサンプラー、全ピクセルでサンプル、砂目状のノイズ、カスタムサンプル数を使う、サンプル数、GIアニメーションの設定 2013.1.12
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Step 1

IBL(イメージベースドライティング)

 イメージベースドライティングというのは、「画像を使ってシーンを照明する」ことであり、これによって「画像を使って環境を作る」ことが可能になります。照明基礎03では「発光するオブジェクトを使ってシーンを照明する」方法について説明しましたが、それをさらに一歩進めた方法だと言えます。まずIBLの利点について三つ説明します。

1. 画像を使って照明するので、3Dオブジェクトの色や陰影がその画像によく馴染む。

したがって、実写画像に3DCGの画像を合成する際によく使われます。

図044-1

2. 照明だけでなくハイライトや鏡面反射もリアルに表現できる。

したがって、周囲に写り込むオブジェクトを作る必要がなく、シーンの構成が非常に簡単になります。

図044-2

3. 写真を扱うことで絵作りの勉強ができる。

実はこれはとても重要なことです。3DCGでリアルな画像を作るには、技術以前に「リアルとは何か」を理解しておく必要があります。そして、この理解は現実の世界を注意深く観察することによって得られます。写真そのものは現実ではありませんが、現実を注意深く観察するための手段として、また観察力を養うための訓練方法としてとても有効です。

 

下の写真は今回のサンプルファイルに使用するHDRパノラマ画像で、私が撮影しました。-10EVから0EVまで5段階に露出を変えて撮影した合計150枚の写真を合成して作っています。カメラはCanon EOS kiss X4、レンズはSigmaの15mmを使いました。

図044-3a

HDRパノラマ画像をダウンロードする(約9MB)

HDRパノラマ画像の明るさを変えたムービーを見る

150枚の元画像を見る(約500KB)

図044-3b

HDRパノラマ画像をダウンロードする(約9MB)

HDRパノラマ画像の明るさを変えたムービーを見る

 

次にIBLの欠点について三つ説明します。

1. そもそもIBL用の画像を作るのが難しい。

IBLに使う画像は二つの点で特殊です。一つは、シーン全体を覆って照明するため「パノラマ写真」であること。もう一つは、太陽などの明るい部分の情報を正確に持っている「HDR画像」であることです。

15年前にフィルムカメラを使ってHDRパノラマ画像を作るのは本当に大変でした。しかし、現在ではデジタルカメラで数十枚の写真を撮影し、それをつなぐことで比較的簡単に作れます。また、そのためのハードウエアやソフトウエアもいろいろ市販されています。IBL用にHDRパノラマ画像の素材集もいろいろ市販されていますが、私としては、絵作りや写真の勉強も兼ねて自分でHDRパノラマを作ることをお勧めします。そんなに難しいものではありません。

2. レンダリング時間が長い。

GIを使ってコントラストの高いシーンをレンダリングするので、どうしてもレンダリング時間が長くなります。ただし、同様の品質の背景を通常のオブジェクトとマテリアルで作る場合に比べたら、はるかに簡単に制作でき、短時間でレンダリングできます。

3. 空など遠くにあるものは問題ないが、地面や壁など近くにあるものは扱いが難しい。

これはIBL用の画像を空オブジェクト(無限球)に貼付けた場合、「それに触れない」からです。この問題は、特にオブジェクトを床に置いて影を描かせる場合に顕著になります。

このような場合は、床だけ通常のオブジェクトで作成し、どこかで背景とスムーズにつなぐ必要があります。

 

 

Step 2

IBLを使ってレンダリングしてみる

 それでは、さっそくIBLを使ってレンダリングしてみましょう。まずステップ1に戻ってHDRパノラマ画像を2枚ダウンロードしてください。次にサンプル044aを開いて下さい。このサンプルには、GIの効果を確認しやすいように中庭のある建物を簡略化したオブジェクトが入っています。また、HDRパノラマ画像は発光チャンネルに入れて「空」オブジェクト(無限球)に貼ってあります。それでは画像表示にレンダリングして下さい。

図044-4

 

最初は、照明基礎02と同じGIの設定でレンダリングしてみました。レンダリング時間は「6秒」で画質もまあまあです。R13まではこの画質を得るのに非常に面倒な設定が必要でしたが、R14ではあっけない程簡単です。

それでは、IBLをもう一枚のHDR画像に切り替えてみます。このHDR画像は非常にコントラストが高く、最も難しい部類に入ります。

図044-5

 

レンダリング時間は「7秒」でした。影が甘いのが気になりますが、特に目立つようなムラはありません。

それでは、ストカスティックサンプルを「高」、レコード密度の半径を「2」にして再度レンダリングしてみましょう。

図044-6

 レンダリング時間は「43秒」と長くなりましたが、だいぶ影がシャープになりました。

 

 

Step 3

空/スカイを個別サンプリング

 前のステップでは、画質を上げたい場合は「ストカスティックサンプル」や「レコード密度」の値を上げる、という基本にしたがって、影をシャープにしました。それに対してこのステップでは、影をシャープにするためのもう一つの方法を説明します。さて、R13までのCINEMA 4Dには「スカイサンプラー」という大変使いやすいGIモードがありました。しかしR14ではこの「スカイサンプラー」が廃止され、他のモードの中に組み込まれてしまいました。この統合にはいい面と悪い面の両方があります。いい面、他のGIモードとスカイサンプラーを同時に使えるようになった。悪い面、設定が面倒になり、レンダリング速度が遅くなった。

 

そして、このステップで説明するのは、このスカイサンプラーの機能を使う方法です。とは言っても、実は「IR(静止画)」モードを選択すると、既にスカイサンプラーの機能は働いています。だからステップ2で簡単にきれいな絵ができたのです。

というわけで、ここではスカイサンプラー機能の詳細について説明します。スカイサンプラーの機能は、「サンプリング -> 空/スカイを個別サンプリング」という部分にあります。そして、この中には二つのオプションがあります。それでは「全ピクセルでサンプル」をチェックして下さい。

と同時に、「ストカスティックサンプル」と「レコード密度 -> 半径」の値を「中」と「16」に戻します。この状態でレンダリングしてみて下さい。

図044-7

 レンダリング時間は「24秒」にのびましたが、非常にシャープな影が描かれています。

R12用のテキストでは、影をシャープにするためにライトを追加する方法を説明したのですが、R14ではライトを置かなくても十分にシャープな影を描けます。

しかし、「全ピクセルでサンプル」を使うと、スカイサンプラーの場合と同様に「砂目状のノイズ」が目立つようになります。そこで、二つ目の「カスタムサンプル数を使う」オプションをチェックし、サンプル数を「256」に上げてレンダリングしてみます。

図044-8

 

レンダリング時間は「52秒」にのびましたが、砂目状のノイズが減りました。このシーンは非常に計算が難しいので、52秒というのは妥当な時間だと思います。

最後に、アニメーションを描かせてみましょう。アニメーションではわずかなムラでも不快なちらつきの原因になります。そこで、「ストカスティックサンプル -> 精度」の値を高よりも高い「120」、「レコード密度 -> 半径」の値を「2」に上げてレンダリングしてみました。

図044-9

 

レンダリング時間はMacMini2台のNETで108分でした(1枚当たり22秒)。まだ多少ザラついていますが、十分実用的な画質とレンダリング速度だと思います(サンプル044b)。

 

 

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