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カテゴリ: 基礎

R14用: 照明基礎02: GIの設定

R14 照明基礎

レベル/ 対象者:基礎/CINEMA 4Dを少し使える人。
対象ソフトウエア、プラグイン:CINEMA 4D R14 Broadcast以上
参考とする写真を見る。よく見る。もう一度見る。そして自分でも写真を撮ってみる。
冨士 俊雄/ gtofuji@gmail.com
このテキストはR14用です。R13以前のCINEMA 4Dを使っているユーザーは照明基礎を参照して下さい。
章番号 題名 内容、及び関連する章やサンプルファイル 作成日/注記
042 2_GIの設定 心構え、GIモード、拡散反射回数、フルスクリーンモード、エリアシャドウ、計算精度、最小サンプル数、最大サンプル数、サンプル、イラディアンスキャッシュ、プレパス、コンポジットタグ、GIエリア、GIポータル、レコード密度、最小レート、最大レート、半径、最小半径、密度コントロール、GIアニメーションの設定 2013.1.12
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Step 1

心構え

 この章では、照明基礎01で作成したシーンを使って、GIの設定の基本を説明します。初めに「心構え」について説明します。なぜこんなことを書くかというと、「GIがうまく使えない」とか、「GIが遅い」という人の話をよく聞いてみると、「絵作り」とか「技術」以前にここで間違っている人が多いからです。1. これはGIに限ったことではありませんが、「知らない機能はいじらない」というのが鉄則です。「知らない機能を適当にいじってリアル絵ができることは絶対にありません」。また、「知らない機能を適当にいじると元に戻せなくなります」。つまり、「知らない機能を適当にいじった段階で、リアルな絵ができる可能性は消滅する」ということを肝に銘じておいて下さい。

3DCGの機能の中には、理解しなくても使えるものや、適当にいじっているうちに理解できる簡単なものもたくさんあります。しかしGIは、専門知識のない人間が適当にいじって理解できる程簡単ではありません。

 

2. 次に、これもGIに限ったことではありませんが、「知らない機能」に対応するには二つの方法があります。

一つは「物理」、「数学」、「プログラミング」等の専門書をたくさん読んで、何年もかけてその機能を真に理解して使う方法です。もう一つは、「マニュアル」や「このテキスト」、「書籍」、「Webで公開されているチュートリアル」等の情報を信じて、その機能を理解しないまま使う方法です。

どちらの方法で対応するかは各自の責任で決めて下さい。また、後者の場合にどの情報源を信用するかも各自でテストして決める必要があります。

 

 

Step 2

一般 -> GIモード

 CINEMA 4Dには多くのGIモードがありますが、R14で実用的なのは「IR(静止画)」だけです。静止画に限らず、カメラアニメーション、フルアニメーション、及びそれらのNETレンダリング全てにおいて、「IR(静止画)」を使うようにして下さい。この点に関して、マニュアルや他のチュートリアルでは、「状況に応じて最適なモードを使う」ように書いてありますが、私の経験によれば、全ての状況に対して「IR(静止画)」が最も適しています。

 

Step 3

一般 -> 拡散反射回数

 本来、基礎の講習でパラメータの最適化等の細かい話はしないものですが、GIの場合パラメータのバランスによって画質やレンダリング時間が大きく変わります。そこで、いくつかの重要なパラメータに関して、「具体的な数値」を「レンダリング時間」と比較しながら説明します。また、ここから先は、レンダリング時間を厳密に比較するため、エディターへのプレビューレンダリングではなく、「画像表示にレンダリング」機能を使ってレンダリングします。まずサンプル042aを開いて、「画像表示にレンダリング」して下さい。これは照明基礎01で作成したサンプル041bと全く同じです。レンダリング時間は「27秒」でした。


図042-1

 

ここで、CINEMA 4Dでは「フルスクリーンモード(control + tab)」を実行すると、選択したウインドウを最大化できます。

 

次に、この絵はまだ不完全です。なぜなら図042-1では間接照明を1回しか計算していないからです。つまり、ライトから出た「直接光(0番目)」が壁に当たると、そこから「間接光(1番目)」が出ます。しかし、この「間接光(1番目)」が壁に当たっても、そこから「間接光(2番目)」が出ないのです。

これはレンダリング時間を短縮するために省略されているのです。もちろん、間接光を際限なく計算するのは無駄ですが、省略し過ぎると「GIらしい絵」になりません。

それでは、「拡散反射回数」の値を「4」に増やして、結果を比べてみましょう。


図042-2

 

どうでしょうか、拡散反射を4回計算することで、影の中がずいぶん明るくなり、立体感が増しました。レンダリング時間は少しのびて「30秒」になりましたが、絵の「品質」を考えると、やはり拡散反射回数の値は4回以上にしたいものです。

ただし、シーンの構成によっては拡散反射回数の値を「4」にすると、レンダリング時間が何倍にものびる場合があります。それは、奥まった部分やガラスのような屈折するマテリアルを多く含んだシーンに多いのですが、このような場合は、この値を「3」、「2」と減らしてみて下さい。

 

 

Step 4

エリアシャドウの最適化

 それでは次に、図042-2(レンダリング時間30秒)を基準として、画質を落とさずにレンダリング時間をどこまで短縮できるか検討します。まず最初に、エリアシャドウの設定を最適化します。エリアシャドウは、厳密にはGIとは異なる機能ですが、GIと併用することが多く、レンダリングのアルゴリズムも似ています。ここで、エリアシャドウの設定を変える際に、GIの計算をする必要はないので、 レンダリング設定で「グローバルイルミネーション」特殊効果のチェックを外し、再度「画像表示にレンダリング」します。


図042-3

 

レンダリング時間は「7秒」でした。これを何とか半分ぐらいに縮めます。

まずエリアシャドウには「計算精度」、「最小サンプル数」、「最大サンプル数」の3個のパラメータがあります。そして、あるピクセルを計算する際に、その周囲の「明るさの変化」が小さければ最小サンプル数が使われ、変化が大きければ最大サンプル数が使われます。そして、その「明るさの変化」の度合いを決めるのが計算精度の値です。

ここで、「サンプル数」というと難しく聞こえますが、要は「光を何本飛ばすか」ということです。

さて、デフォルトでは「最小サンプル数」が「8」、「最大サンプル数」が「100」になっています。これは、「白い床に黒い影が落ちる」といった最も難しい条件を想定して決められた値なので、「光が弱い場合」や、「床の色が濃い場合」、「GIを使う場合」、「アンチエイリアスを使う場合」などは減らせます。今回もGIを使っているので、「4」と「32」ぐらいに減らしてみましょう。


図042-4

 

計算時間を「3秒」に短縮できました。確かに影が粗くなっていますが、GIやアンチエイリアスをかければほとんどわからなくなるはずです。一般的に、これらの値は「2 – 16」から「6 – 48」ぐらいの間で調整するといいでしょう。

なお、計算精度の値は「75」のままで十分です。

 

 

Step 5

サンプリング -> サンプル

 次にGIの「イラディアンスキャッシュ(IRの記録)」を最適化します。イラディアンスキャッシュというのは、GI計算のプレパスで表示される「白い点々」の集まりのことで、これらの点一つ一つの中にその部分の明るさの情報が入っています。つまり、GIを正確にレンダリングするには、以下の二つが重要となるわけです。1. 白い点々の中に含まれる明るさ情報が正確であること。2. 白い点々が十分に細かいこと。

そして、この白い点々の「正確さ」を決めるのが、「サンプル」の値です。

それでは、このサンプルの値を「中」から「低」に下げてください。


図042-5

 

サンプル数を減らしても、レンダリング時間はが「26秒」とほぼ変っていません。それでは、イラディアンスキャッシュを生成するための「プレパス」だけを比較してみましょう。


図042-6

 

イラディアンスキャッシュの精度が悪くなったかわりに、計算時間は「6秒」短くなっています。ところが、イラディアンスキャッシュの精度が悪くなると、最終レンダリング時にそれを補間するのが難しくなり、結果的に全体のレンダリング時間は変らなくなってしまうのです。

GIの設定をしていると、こういうことがよくあります。これがGI設定の難しさです。というわけで、サンプルの値は「中」に戻しましょう。

 

一般的に、サンプルの値は「中」か「高」のどちらかで使います。「低」にしても速くなりませんし、「高」より上げてもきれいになりません。

ほとんどの場合、静止画は「高」で十分ですが、アニメーションでは「高」でも画面のちらつきが気になる場合があります。しかし、そのような難しいシーンで単純にサンプルの値を上げても、レンダリング時間がのびるばかりで、画質はそれほどよくなりません。したがってそのような場合は、後の章で説明する「コンポジットタグ」や「GIエリア」、「GIポータル」といった機能を使って、「部分的に計算精度を上げる」戦略を取るようにして下さい。

 

 

Step 6

イラディアンキャッシュ -> レコード密度

 次に、ステップ5で説明した白い点々の「細かさ」を決めるのが、「レコード密度」の値です。レコード密度には、大きく分けて2種類のパラメータがあります。1. プレパス計算のサイズや回数を指定するパラメータ(「最小レート」、「最大レート」)。2. 白い点々の密度を決めるパラメータ(「半径」、「最小半径」、「密度コントロール」)。

「プレパス計算」というのは、最終レンダリングの前に白い点々を計算することで、解像度を上げながら何回かくり返されます。たとえば、「最小レート」の値が「-3」で「最大レート」の値が「0」の場合、「解像度1/8」、「解像度1/4」、「解像度1/2」、「等倍(フルサイズ)」の4回プレパス計算がくり返されます。

レコード密度のパラメータは、シーンに細かいオブジェクトが存在する場合細かくする必要があります。しかし、今回のシーンにはそれ程細かいオブジェクトが存在しないので、「低」にしてみます。


図042-7

 

レンダリング時間は半分以下の「11秒」となりました。しかし、明らかに細かい部分の画質が低下したので少しだけパラメータを戻します。それでは、「半径」の値を「16」にして下さい。


図042-8

 

レンダリング時間は「13秒」にのびましたが、影の部分の「光漏れ」が解消されました。

GIの設定において、レコード密度のパラメータは最も重要です。それは、最も画質に影響し、最もレンダリング時間に影響を与え、最も値を決めるのが難しいからです。

また言いかえれば、レコード密度の値が適切でないかぎり、他のパラメータをどんなにいじっても絶対にいい絵はできないということです。心して設定して下さい。

 

一般的に、レコード密度の値は「低」を基本として、「半径」の値だけを「2 – 16」の間で変えることをお勧めします。それ以外のパラメータは、その意味を十分に理解していない限り触らない方がいいです。

サンプル042b

 

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R14用: 照明基礎03: GIエリア

R14 照明基礎

レベル/ 対象者:基礎/CINEMA 4Dを少し使える人。
対象ソフトウエア、プラグイン:CINEMA 4D R14 Broadcast以上
参考とする写真を見る。よく見る。もう一度見る。そして自分でも写真を撮ってみる。
冨士 俊雄/ gtofuji@gmail.com
このテキストはR14用です。R13以前のCINEMA 4Dを使っているユーザーは照明基礎を参照して下さい。
章番号 題名 内容、及び関連する章やサンプルファイル 作成日/注記
043 3_GIエリア GIエリア、発光するマテリアル、レイトレーシング、直接光、間接光、発光、ボリュームイフェクト、IBL、HDRパノラマ、実写合成、アンチエイリアス、マイナス成分をクリップ、GIエリアライト、GIポータル、GIアニメーションの設定 2013.1.12
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Step 1

GIエリア(発光するマテリアル)による照明

 この章では、照明基礎02で作成したシーンを元にして、「ライトを使わない照明(GIエリア)」について説明します。まず、サンプル043aサンプル043bを開いて、画像表示にレンダリングして下さい。サンプル043aは、照明基礎02で作成したサンプル042bと全く同じものです。

図043-1

 レンダリング時間は、043aが「13秒」、043bが「15秒」で大差ありません。

この二つの画像は、見た目はよく似ていますが、シーンの構成には「非常に大きな違い」があります。それは「ライトの有無」です。043aはライトによって普通に照明されていますが、043bにはライトが存在せず、その代わり「発光するマテリアルを適用したオブジェクト(GIエリアライト)」によって照明されているのです。

図043-2

 この違いは、レンダリング設定で「グローバルイルミネーション」特殊効果のチェックを外して、レイトレーシングだけでレンダリングしてみるとよくわかります。

図043-3

 この二つの画像は、大きく違っています。しかし、GIを適用してレンダリングすると、図043-1のように似た画像になるのです。これは別に画像が壊れたり、リンクが間違っているわけではありません。

このような違いが生じる理由について次のステップで説明します。

 

 

Step 2

レイトレーシングとGIの関係

 まず、「レイトレーシング」という計算方法では「ライトから出た光(直接光)」による照明だけが計算されます。したがって、GIを切った043aでは天井や壁は照明されているものの、立方体や球体の陰は真っ暗です。さらに、043bでは、ライトが存在しないので照明が全くありません。唯一、発光するマテリアルを適用した「GI_area_light」オブジェクトだけが見えています。次に、「GI(グローバルイルミネーション)」という計算方法を追加すると「それ以外の光(発光や間接光)」による照明も計算されます。ただし、GIはライトから出た光を計算しません。これはとても重要な点です。つまり、ライトから出た「最初の光」はレイトレーシングが計算し、オブジェクトによって反射された「2回目以降の光」をGIが計算するのです。言い換えると、レイトレーシングは「直接光だけ」を計算し、GIは「間接光だけ」を計算するわけです。したがって、「GIの計算は、レイトレーシングの結果を元にして始まる」と言えます。また、「GIの結果は単独では意味を持たず、レイトレーシングの結果に加算されて初めて意味を持つ」とも言えます。

たとえば、マルチパスレンダリング機能を使って、図043-1の絵の中のGI成分だけを取り出すと下のようになります。つまり、これらの絵を図043-3の絵と加算合成すると、図043-1の絵になるわけです。

図043-4

 

まず、上左の絵の天井中央部分に注目すると、ライトからの直接光が計算されていないことがわかります。次に、上右の絵の天井中央部分に注目すると、「発光するマテリアルから出た光」が天井を照明していることがわかります。

つまり、CINEMA 4Dの世界では「発光するマテリアルから出た光」というのは、「間接光」と同じ扱いになるのです。この他、ライトの「可視照明」や、「PyroCluster」などのボリュームエフェクトから出た光も「間接光」として扱われます。

また、一つ上の図043-3の2枚の絵を比較して、どちらの方が「その後のGIの計算が楽か」と考えてみれば、直感的に右の真っ暗な絵の方が大変であるとわかるでしょう。

 

 

Step 3

GIエリア(発光するマテリアル)の利点

 そのためには特殊なHDRパノラマ画像を用意する必要がありますが、適切な画像が得られれば、通常のライトやオブジェクトの組み合わせでは表現できないようなリアルな絵を、簡単に表現できます。また、画像を使って照明すれば、レンダリングした画像が元の画像によく馴染むので、3DCGの画像を実写画像に合成する目的でもよくIBLが使われます。

 このように、通常のライトで十分間に合うようなケースで発光するマテリアルを使う利点はありません。しかし、次のようなケースでは大きな利点があります。1. ライトが大きかったり、形状が複雑である場合

たとえば、サンプル043-1で天井の「GI_area_light」を消し、両側の壁を発光させると次のようになります(サンプル043c)。

図043-5

 レンダリング時間は「7秒」でした。このようなケースでは、無理にエリアライトなどを使うよりも、発光するマテリアルを使った方が、シーンの作成が楽です。また、レンダリング時間や画質の点でも有利です。

 

2. ライトが無数にある場合

たとえば、高層ビルの中の天井に配置された無数の蛍光灯や、巨大な橋や塔に取り付けられた無数のイルミネーションを全てライトオブジェクトで表現するのは無理です。

このようなケースでも、無数のライトをポリゴンやテクスチャで表現し、発光するマテリアルを適用してGIでレンダリングすれば、それら無数のライトによる照明を十分な品質で表現できます。

 

3. IBL(イメージベースドライティング、照明基礎04を参照)

IBLは、ライトオブジェクトの「代用品」として発光するマテリアルを使うのではなく、もっと積極的に「発光する画像だけでリアルな背景を表現する」ことを目的としています。

図043-6

 

そのためには特殊なHDRパノラマ画像を用意する必要がありますが、適切な画像が得られれば、通常のライトやオブジェクトの組み合わせでは表現できないようなリアルな絵を、簡単に表現できます。

また、画像を使って照明すれば、レンダリングした画像が元の画像によく馴染むので、3DCGの画像を実写画像に合成する目的でもよくIBLが使われます。

 

 

Step 4

GIエリアライト

 それでは、サンプル043bに戻って、このシーンのGIパラメータを最適化することを考えましょう。まず、043bの「GI_area_light」オブジェクトの周辺を見ると「黒い縁」があることに気がつきます。これは発光するマテリアルが非常に明るいため、そのアンチエイリアスの「マイナス成分」が0を切っているからです。アンチアイリアスにマイナス成分が発生するのは、画像をシャープに見せるためで、R13から追加された機能です。この問題を解決するには、「レンダリング設定 -> アンチエイリアス -> マイナス成分をクリップ」をチェックします。

図043-7

 

次に、043bにはかなりムラがあります。図043-1右図の天井の隅を見るとそれがよくわかります。そこで、なるべくレンダリング時間を増やさずに、このムラを消す方法を考えます。

まず最初に思いつくのは、「ストカスティックサンプル」の値を大きくすることです。「ストカスティックサンプル」は、「GIのプレパスで計算される白い点々に含まれる明るさ情報の正確さ」を決定するパラメータです。それでは、この値を「中」から「高」に上げて「画像表示にレンダリング」してみましょう。

図043-8

 

レンダリング時間は「34秒」に伸びましたが、確かにムラが少なくなりました。

それでは、次に「GIエリアライト」というパラメータを追加してみます。

ここまでのGIの設定では、GIはシーンの明るさを「手探り」で計算していました。つまり、どこに明るいオブジェクト(このシーンでは「GI_area_light」)があるのかわからないので、明るさを調べるための光を、全ての方向に「均等に」放射していたのです。この光の本数が「ストカスティックサンプル」の数です。

しかし、「もしGIを計算する前に明るいオブジェクトがどこにあるのかわかっていれば」話は簡単です。明るさを調べるための光を、そのオブジェクトの方向に「重点的に」放射すればいいのです。この「明るいオブジェクトがどこにあるのかをGIに教えるためのパラメータ」が「GIエリアライト」です。

「GIエリアライト」はマテリアルの中で設定します。それでは「light」マテリアルをダブルクリックし、マテリアル編集ウインドウを開いて下さい。そして、「GIと照明モデル」ページで、「GIエリアライト」をチェックします。

これで、「このマテリアルは非常に明るい」ということをGIに教えることができました。そして、このマテリアルが「GI_area_light」オブジェクトに適用されています。

と同時に、「ストカスティックサンプル」の値は「高」から「中」に戻しておきましょう。この状態で「画像表示にレンダリング」して下さい。

図043-9

レンダリング時間は「14秒」と短くなったにもかかわらず、「ストカスティックサンプル」の値を「高」にした場合と同じか、それ以上にムラなくレンダリングできました。

結論として、GIエリアライトを使うことによって、レンダリング時間を半分に短縮できたことになります。これだけでも十分な効果ですが、実は次のステップ5や、照明基礎04で扱うようなコントラストの高いシーンでは、GIエリアライトをうまく使うことで、レンダリング時間を1/10以下に短縮できます。

ですから、コントラストの高いシーンをGIでレンダリングしていて、計算時間が異常に長くなったり、ムラが消えない場合は、まずこの「GIエリアライト」を適切に設定してみて下さい。

 

 

Step 5

GIポータル

 「GIポータル」は、非常に重要なパラメータです。GIポータルの「ポータル」は、「入り口」という意味で、CINEMA 4Dの中では「(GIの)取り入れ口」つまり「(GIの)窓」というような意味で使われます。GIポータルの働きは、基本的に前のステップで説明した発光するマテリアルに対する「GIエリアライト」と同じですが、「窓である」点が異なっています。つまり、発光するマテリアルに「GIエリアライト」を指定した場合、GIはそのマテリアルに注目し、そのマテリアルの明るさを計算します。これに対して、「GIポータル」を指定した場合、GIは同じようにGIポータル(窓)を注目しますが、計算されるのは「GIポータルの先に見える外の風景の明るさ」なのです。

ある人は、「それなら、外の風景全てに直接GIエリアライトを指定すればいい」と考えるかも知れません。しかし「外の風景全てに注目する」というのは不可能で、結局「何も注目しない」というのと同じことです。

「窓から見える風景だけ」に絞ってGIに注目させる。そこにGIポータルの利点があります。そしてこの時、「窓から見える風景」というのは壁や床の位置によって大きく変わります。

それでは、サンプル043dを開いて下さい。

このサンプルでは、部屋の天井の真ん中に天窓が作ってあります。そして、窓の上には発光するマテリアルを適用した「GI_area_light」オブジェクトが浮かんでいます。

このシーンを前のステップと同じGIの設定で「画像表示にレンダリング」すると次のようになります。

図043-10

 

レンダリング時間は「16秒」ですが、シーンのコントラストが上がったため、お化け屋敷のような質感になっています。

それでは、「ストカスティックサンプル」の値を「高」に上げて「画像表示にレンダリング」してみて下さい。

図043-11

 

レンダリング時間は「36秒」に伸びましたが、あまりよくなっていません。おそらくレンダリング時間が10倍になるほど値を上げてもムラは消えないでしょう。

 

それでは、次にGIポータルを設定してみます。

まず、「GI_portal」マテリアルをダブルクリックし、マテリアル編集ウインドウを開いて下さい。そして、「GIと照明モデル」ページで、「GIポータル」をチェックして下さい。このマテリアルは「Window」オブジェクトに適用されています。

と同時に、「ストカスティックサンプル」の値は「中」に戻しておきましょう。この状態で「画像表示にレンダリング」して下さい。

図043-12

 

レンダリング時間は「22秒」と短くなったにもかかわらず、かなりよくなりました。これがGIポータルの効果です。

 

 

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R14用: 照明基礎04: GIエリア

R14 照明基礎

レベル/ 対象者:基礎/CINEMA 4Dを少し使える人。
対象ソフトウエア、プラグイン:CINEMA 4D R14 Broadcast以上
参考とする写真を見る。よく見る。もう一度見る。そして自分でも写真を撮ってみる。
冨士 俊雄/ gtofuji@gmail.com
このテキストはR14用です。R13以前のCINEMA 4Dを使っているユーザーは照明基礎を参照して下さい。
章番号 題名 内容、及び関連する章やサンプルファイル 作成日/注記
044 4_IBL IBL、イメージベースドライティング、実写合成、HDRパノラマ、空オブジェクト、空/スカイを個別サンプリング、スカイサンプラー、全ピクセルでサンプル、砂目状のノイズ、カスタムサンプル数を使う、サンプル数、GIアニメーションの設定 2013.1.12
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Step 1

IBL(イメージベースドライティング)

 イメージベースドライティングというのは、「画像を使ってシーンを照明する」ことであり、これによって「画像を使って環境を作る」ことが可能になります。照明基礎03では「発光するオブジェクトを使ってシーンを照明する」方法について説明しましたが、それをさらに一歩進めた方法だと言えます。まずIBLの利点について三つ説明します。

1. 画像を使って照明するので、3Dオブジェクトの色や陰影がその画像によく馴染む。

したがって、実写画像に3DCGの画像を合成する際によく使われます。

図044-1

2. 照明だけでなくハイライトや鏡面反射もリアルに表現できる。

したがって、周囲に写り込むオブジェクトを作る必要がなく、シーンの構成が非常に簡単になります。

図044-2

3. 写真を扱うことで絵作りの勉強ができる。

実はこれはとても重要なことです。3DCGでリアルな画像を作るには、技術以前に「リアルとは何か」を理解しておく必要があります。そして、この理解は現実の世界を注意深く観察することによって得られます。写真そのものは現実ではありませんが、現実を注意深く観察するための手段として、また観察力を養うための訓練方法としてとても有効です。

 

下の写真は今回のサンプルファイルに使用するHDRパノラマ画像で、私が撮影しました。-10EVから0EVまで5段階に露出を変えて撮影した合計150枚の写真を合成して作っています。カメラはCanon EOS kiss X4、レンズはSigmaの15mmを使いました。

図044-3a

HDRパノラマ画像をダウンロードする(約9MB)

HDRパノラマ画像の明るさを変えたムービーを見る

150枚の元画像を見る(約500KB)

図044-3b

HDRパノラマ画像をダウンロードする(約9MB)

HDRパノラマ画像の明るさを変えたムービーを見る

 

次にIBLの欠点について三つ説明します。

1. そもそもIBL用の画像を作るのが難しい。

IBLに使う画像は二つの点で特殊です。一つは、シーン全体を覆って照明するため「パノラマ写真」であること。もう一つは、太陽などの明るい部分の情報を正確に持っている「HDR画像」であることです。

15年前にフィルムカメラを使ってHDRパノラマ画像を作るのは本当に大変でした。しかし、現在ではデジタルカメラで数十枚の写真を撮影し、それをつなぐことで比較的簡単に作れます。また、そのためのハードウエアやソフトウエアもいろいろ市販されています。IBL用にHDRパノラマ画像の素材集もいろいろ市販されていますが、私としては、絵作りや写真の勉強も兼ねて自分でHDRパノラマを作ることをお勧めします。そんなに難しいものではありません。

2. レンダリング時間が長い。

GIを使ってコントラストの高いシーンをレンダリングするので、どうしてもレンダリング時間が長くなります。ただし、同様の品質の背景を通常のオブジェクトとマテリアルで作る場合に比べたら、はるかに簡単に制作でき、短時間でレンダリングできます。

3. 空など遠くにあるものは問題ないが、地面や壁など近くにあるものは扱いが難しい。

これはIBL用の画像を空オブジェクト(無限球)に貼付けた場合、「それに触れない」からです。この問題は、特にオブジェクトを床に置いて影を描かせる場合に顕著になります。

このような場合は、床だけ通常のオブジェクトで作成し、どこかで背景とスムーズにつなぐ必要があります。

 

 

Step 2

IBLを使ってレンダリングしてみる

 それでは、さっそくIBLを使ってレンダリングしてみましょう。まずステップ1に戻ってHDRパノラマ画像を2枚ダウンロードしてください。次にサンプル044aを開いて下さい。このサンプルには、GIの効果を確認しやすいように中庭のある建物を簡略化したオブジェクトが入っています。また、HDRパノラマ画像は発光チャンネルに入れて「空」オブジェクト(無限球)に貼ってあります。それでは画像表示にレンダリングして下さい。

図044-4

 

最初は、照明基礎02と同じGIの設定でレンダリングしてみました。レンダリング時間は「6秒」で画質もまあまあです。R13まではこの画質を得るのに非常に面倒な設定が必要でしたが、R14ではあっけない程簡単です。

それでは、IBLをもう一枚のHDR画像に切り替えてみます。このHDR画像は非常にコントラストが高く、最も難しい部類に入ります。

図044-5

 

レンダリング時間は「7秒」でした。影が甘いのが気になりますが、特に目立つようなムラはありません。

それでは、ストカスティックサンプルを「高」、レコード密度の半径を「2」にして再度レンダリングしてみましょう。

図044-6

 レンダリング時間は「43秒」と長くなりましたが、だいぶ影がシャープになりました。

 

 

Step 3

空/スカイを個別サンプリング

 前のステップでは、画質を上げたい場合は「ストカスティックサンプル」や「レコード密度」の値を上げる、という基本にしたがって、影をシャープにしました。それに対してこのステップでは、影をシャープにするためのもう一つの方法を説明します。さて、R13までのCINEMA 4Dには「スカイサンプラー」という大変使いやすいGIモードがありました。しかしR14ではこの「スカイサンプラー」が廃止され、他のモードの中に組み込まれてしまいました。この統合にはいい面と悪い面の両方があります。いい面、他のGIモードとスカイサンプラーを同時に使えるようになった。悪い面、設定が面倒になり、レンダリング速度が遅くなった。

 

そして、このステップで説明するのは、このスカイサンプラーの機能を使う方法です。とは言っても、実は「IR(静止画)」モードを選択すると、既にスカイサンプラーの機能は働いています。だからステップ2で簡単にきれいな絵ができたのです。

というわけで、ここではスカイサンプラー機能の詳細について説明します。スカイサンプラーの機能は、「サンプリング -> 空/スカイを個別サンプリング」という部分にあります。そして、この中には二つのオプションがあります。それでは「全ピクセルでサンプル」をチェックして下さい。

と同時に、「ストカスティックサンプル」と「レコード密度 -> 半径」の値を「中」と「16」に戻します。この状態でレンダリングしてみて下さい。

図044-7

 レンダリング時間は「24秒」にのびましたが、非常にシャープな影が描かれています。

R12用のテキストでは、影をシャープにするためにライトを追加する方法を説明したのですが、R14ではライトを置かなくても十分にシャープな影を描けます。

しかし、「全ピクセルでサンプル」を使うと、スカイサンプラーの場合と同様に「砂目状のノイズ」が目立つようになります。そこで、二つ目の「カスタムサンプル数を使う」オプションをチェックし、サンプル数を「256」に上げてレンダリングしてみます。

図044-8

 

レンダリング時間は「52秒」にのびましたが、砂目状のノイズが減りました。このシーンは非常に計算が難しいので、52秒というのは妥当な時間だと思います。

最後に、アニメーションを描かせてみましょう。アニメーションではわずかなムラでも不快なちらつきの原因になります。そこで、「ストカスティックサンプル -> 精度」の値を高よりも高い「120」、「レコード密度 -> 半径」の値を「2」に上げてレンダリングしてみました。

図044-9

 

レンダリング時間はMacMini2台のNETで108分でした(1枚当たり22秒)。まだ多少ザラついていますが、十分実用的な画質とレンダリング速度だと思います(サンプル044b)。

 

 

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CINEMA 4D基礎1: 自動車のモデリングとアニメーション

■講座テキスト

  1. CINEMA 4D基礎1: 自動車のモデリングとアニメーション
  2. CINEMA 4D基礎 2: カメラとXPressoを追加する
  3. CINEMA 4D基礎 3: レンダリング
  4. CINEMA 4D基礎 4: モデリング
題名 内容、及び関連する章 作成日/注記
051 1_自動車のモデリングとアニメーション 初めに、初期設定、サンプル、オブジェクトを作る、インターフェイス、階層化、スプラインとスイープ、編集可能にする、スプラインに沿う、アニメーションのコントロール、ヌル 2014.3.31

 はじめに、CINEMA 4Dを使う上での心構えについて説明します。

1. 気楽に使う

CINEMA 4Dを挫折する人の中には、優秀な人がたくさんいます。
それは考えすぎてしまうからです。現在のCINEMA 4Dは非常に複雑で難しいソフトなので、「全てを理解して使う」というのはもう無理です。
わからないことがあっても「こだわらずに先に進む」ようにしてください。

2. 初心に戻る

CINEMA 4Dを挫折する人の中には、2DCGや3DCADに詳しい人がたくさんいます。
それは自分の流儀をCINEMA 4Dに持ち込もうとするからです。CINEMA 4Dの考え方はアニメーションが基本になっているので、そうでないソフトの考え方を持ち込んでもうまくいきません。
初心に戻って初めから覚えなおしてください。その方が結局早くて楽です。

3. 簡単に作る

CINEMA 4Dには非常に多くの機能がありますが、それは使う人や仕事の内容によって必要な機能が違うからです。一つの作品で使う機能が多いわけではありません。
自分の思い通りに作品を作れない時、ついつい「新しい機能」や「プラグイン」に飛びついてしまうものです。
その結果シーンはどんどん難しく複雑になっていきますが、それでうまくいくことはまずありません。基本的な機能を使って簡単に作るよう心がけてください。

4. 確実に作る

CINEMA 4Dを挫折する人の中には、センスのいい人がたくさんいます。
それは考えずに使うからです。CINEMA 4Dのシーンファイルは、例えば折り紙のようなものです。考えずに紙を折っても意味のある形にはなりません。
自分の思い通りに作品を作れない時、ついつい片っ端から「知らないボタン」を押してしまうものです。
しかし、意味のない操作を繰り返せばシーンは壊れて元に戻らなくなります。自分の理解できる範囲で確実に作ることを心がけてください。
知らないボタンは押さない、ゴミは捨てる。

Step 2

初期設定

 CINEMA 4Dのデフォルトインターフェイスは使いにくいので、この講習会ではカスタマイズしたインターフェイスを使います。
まず講習会のページから掲示板に移動し、「CINEMA 4D講座関連」の中の「講習会で使うCINEMA 4Dのカスタム設定について」のスレッドを開きます。
その最後にR15用の設定ファイルがあるので、それをダウンロードしてください。次に、CINEMA 4Dを起動し、「編集 -> 一般設定」の下にある「一般設定フォルダを開く」ボタンを押します。
すると、ユーザーのライブラリフォルダの中に入っているCINEMA 4Dの初期設定フォルダが開きます。次に、CINEMA 4Dを終了します。CINEMA 4Dは終了時に初期設定を更新するので、起動したまま初期設定ファイルを変更すると、終了時に元に戻されてしまいます。
最後に、元のファイルをダウンロードしたファイルに置き換えます。
図051-2

Step 3

サンプル

 この講座で作るサンプルムービーです。
図051-3

Step 4

オブジェクトを作る

 CINEMA 4Dでは、オブジェクト(立体)が基本的な単位になっています。オブジェクトにもいろいろありますが、まず一番簡単な「プリミティブ」の中の「立方体」を作ります。
多くのオブジェクトにはオレンジ色のハンドルがあり、ドラッグで大きさや性質を変えられます。
新規に作成したオブジェクトは、右上にあるオブジェクトマネージャに表示されます。さらに、オブジェクトの名前の部分をダブルクリックすると変更できます。
CINEMA 4Dのオブジェクトはいろいろな「働き」を持っているので、重要なオブジェクトには必ず名前を付けるようにしてください。次に、左下のマテリアルマネージャをダブルクリックすると新規マテリアルが作成されます。
マテリアルというのは3D独自の考え方で、マテリアルとリンクすることでオブジェクトに色をつけます。
このようになっている理由は、3Dには色だけでなく、透明度や鏡面反射、バンプ等多くの性質があるからです。
オブジェクトごとに全ての性質を指定するのは大変なので、一つのマテリアルにまとめて、複数のオブジェクトがそれを共用するようになっているのです。
マテリアルをエディターのオブジェクトにドラッグすると、オブジェクトにリンクできます。オブジェクトマネージャのオブジェクトにドラッグしても構いません。画面中央にあるのがエディターです。エディターの右上には4個のボタンがあり、そこでマウスをドラッグすると画面を移動、前後移動、回転できます。
マウスを右ドラッグすると、画面を前後移動、ズーム、画面内の回転できます。
これらのボタンにはショートカットがあり、数字の「1」、「2」、「3」キーを押しながら画面をドラッグして画面を動かすこともできます。また、マウスのホイールを回すと前後移動できます。
一番右の四角いボタンは画面を分割表示させるためのボタンです。分割表示された画面のボタンをもう一度押すと元に戻ります。
図051-4

Step 5

インターフェイス

 オブジェクトが見えなくなった場合は、エディターの「ビュー -> 初期の表示」等を使って元に戻すことができます。
また、ビューの取り消しは「cmd+shift+z」で、オブジェクトの取り消し「cmd+z」とは別になっています。
オブジェクトを複製するには、controlキーを押しながらオブジェクトをドラッグします。
これはOSでファイルを複製する操作と同じです。同じ操作でマテリアルや他の部品(タグやXPresso等)も複製できます。また、エディターでオブジェクトを複製することもできます。
複製したオブジェクトは全く同じ場所に置かれるので、見た目は変わりません。ちょっとずらしてみましょう。
この時、画面の空いている部分をドラッグするとオブジェクトが斜めに動いてしまうので、オブジェクトの中心にある軸の頭をつかむように注意してください。
複製したマテリアルのカラーを変えて、エディターのオブジェクトにドラッグすると、オブジェクトのテクスチャタグが2個になります。
これは別に間違いではなく、マテリアルを「重ね塗り」した状態になっています。左から順に塗っていくので、オブジェクトは右側のテクスチャタグの色に見えます。ただし、これらのマテリアルは「ベタ塗り」で下のマテリアルは見えないので、deleteキーを押して消しても構いません。その方がすっきりします。
使わないものが散らかっていると後々トラブルの元になります。
また、テクスチャタグの上に直接マテリアルをドラッグすれば、マテリアルを置き換えることもできます。
図051-5

Step 6

階層化

 次に「階層」について説明します。CINEMA 4Dには、2Dソフトによくある「グループ」という機能がありません。その代わりより強力な「階層」という機能を使います。
3Dの階層は、基本的にOSのフォルダやディレクトリと同じものです。しかし、3Dの場合「回転」という操作があるので、階層の働きはより重要です。
オブジェクトを階層化するには、オブジェクトを別のオブジェクトにドラッグします。
グループと違って、階層には必ず上下(親子)関係があり、親を動かすと子供がついてきますが、子供を動かしても親はついてきません。また、親が持っているマテリアル等の属性は子供に引き継がれます。
オブジェクトの右にはいくつかのボタンがあります。一番左のボタンはレイヤを指定するためのボタンです。
CINEMA 4Dのレイヤは、CADやIllustrator等のレイヤとほとんど同じで、レイヤ単位でオブジェクトの表示やロックを切り替えることができます。また、オブジェクトだけでなく、マテリアルやタグ等も同じレイヤで管理できます。
中央のボタンは、オブジェクトの表示/非表示を切り替えるボタンです。上下に二個ありますが、上がエディターでの表示、下がレンダリングでの表示に対応しています。
ボタンの状態は、「グレー(従う)」、「緑(表示)」、「赤(非表示)」の三通りあります。
デフォルトはグレーになっていて、親オブジェクトが非表示にすると、子オブジェクトも自動的に見えなくなります。もし、子オブジェクトだけ表示させたい場合はこのボタンを緑にしてください。
オブジェクトの表示はアニメーションすることもできます。これらのボタンに対応するパラメータが属性マネージャの「基本」ページにあるので、そこでキーを打ってください。一番右のボタンについては次のステップで説明します。
図051-6

Step 7

スプラインとスイープ

 次に、スプラインオブジェクトを作ります。CINEMA 4Dのスプラインは、CADの線やIllustratorのパスと同じもので、それらのソフトから読み込んだり書き出すこともできます。
ツールバーには上にオレンジのツール、下に水色のツールが並んでいますが、上がIllustratorのペンツール、下が、長方形ツールや文字ツールに相当します。
まず「円形」スプラインを作成し、「平面」をXZに切り替えます。また、位置を台の上面に合わせます。次に「長方形」スプラインを作成し、「幅」を40、「高さ」を10に変更します。位置はどこでも構いません。次に、「スイープ」オブジェクトを作成します。スイープは特殊なオブジェクトで、「2個の部品スプラインから1個のオブジェクトを作る」という働きを持っています。
普通のソフトでは、この機能はメニューコマンドから実行することが多いでしょう。しかし、メニューから実行するとその場で確定してしまい、後で部品スプラインを変更した時にもう一度作りなおす必要があります。
そこでCINEMA 4Dではこの機能をオブジェクトの中に組み込み、「常に更新する」ようなっているのです。
スイープは、子オブジェクトを2個、もしくは3個使います。最初の子オブジェクトが「断面」となり、2番目の子オブジェクトが「パス」となります。
3番目の子オブジェクトは、断面の傾きをコントロールする「レール」で、傾きをコントロールする必要がなければ、置かなくても構いません。
図051-7

Step 8

編集可能にする

 スイープの右にはいくつかのボタンがありますが、一番右にある「緑のチェック」はそのオブジェクトが働いていることを表しています。このボタンをクリックすると「赤のバツ」に変わり、オブジェクトの働きが一時停止します。
オブジェクト内部の部品を編集したい場合や、機能の確認をしたい場合、動作が重い場合等に、機能を一時停止します。表示/非表示の機能に似ていますが、道路の中に入っていたスプラインの部品はちゃんと見えています。
ヌルオブジェクトのように何の機能もないオブジェクトの場合このボタンは表示されません。
また、表示/非表示やオブジェクトの状態は、属性マネージャの「基本」ページにも表示され、ここでアニメーションを付けることもできます。次に、「円形」スプラインを「編集可能」にします。このコマンドには多くの働きがありますが、ここではIllustratorのアウトライン化と同じように使います。
このコマンドはよく使うので、「c」というショートカットが割り当てられています。
ここで「ポイント」モードに切り替えて、ポイントをドラッグするとスプラインの形状を自由に変形できます。これまではずっと「モデル」モードで作業してきましたが、これはIllustratorの選択ツールに相当します。そして、「ポイント」モードは、Illustratorのダイレクト選択ツールに相当します。
CINEMA 4Dにはこの他ポリゴンを操作するための「ポリゴン」モードや「エッジ」モードがあります。
このままビューでポイントを編集すると斜めに動いてしまうので、上面ビューに移動します。上面ビューであれば、軸をつかまなくても平面内で動かせます。
ポイント編集する際にこの軸が邪魔であれば、エディターメニューの「フィルタ -> 軸」のチェックを外すことで非表示にできます。現在のCINEMA 4Dでは、ポイントが選択されていない状態で直接ポイントをドラッグすると、普通にドラッグできます。
ポイントが選択されている場合は、どこをドラッグしても選択されたポイントが移動します。
スプラインにポイントを追加するには、controlキーを押しながらスプラインの上をクリックします。
何もないところをcontorolクリックした場合は、最初のポイントの外側にポイントが増えます。
最後のポイントの外側に追加したい場合は、shift+controlクリックします。ポイントを消去したい場合はdeleteキーを押します。
ハンドルの長さや向きがおかしくなった場合は、エディターの中を右クリックし、メニューから「ソフト補間」を選択すると適当にハンドルを作りなおしてくれます。
ハンドルを折りたい場合は、shiftキーを押しながらドラッグします。紛らわしいのですが、ポイントをクリックした後shiftキーを押すと移動方向を軸に制限できます。
図051-8

Step 9

スプラインに沿う

 次に自動車を作ります。自動車には「フィレット」を付けます。ここでは簡単なフィレットしか付けませんが、フィレットはフォトリアルな絵を作るために非常に重要です。
次に、「スプラインに沿う」タグを追加します。スプラインに沿うは元々アニメーションの機能ですが、現在のCINEMA 4Dでは「オブジェクトの性質」としてタグの中に入っています。
タイムラインから独立したおかげで、時間に拘束されずにアニメーションの機能を使うことができます。
「パススプライン」フィールドに「円形」スプラインをドラッグすると、自動車が道路の上に移動します。そして、「スプライン上の位置」の値を変えると、自動車が道路の上を移動します。
この時、まだ「時間」には触っていないことに注意してください。それではこのパラメータにキーを打ちます。「キー」というのは、パラメータの値を時間に対応させるものです。
「タイムマーカー」を0に移動し、「スプライン上の位置」の値を0に変更し、パラメーターの上で右クリックして「アニメーション -> キーフレームを追加」を選択します。さらに、タイムマーカーを150に移動し、「スプライン上の位置」の値を100に変更し、パラメータの左にあるボタンをcontrolクリックします。これでキーを作成できます。
キーを2個打つことで初めてアニメーションがつきました。「アニメーション」というのは、時間に対応してオブジェクトの位置や形状や色が変化することです。
再生ボタンを押して、アニメーションがついていることを確認してください。
図051-9

Step 10

アニメーションのコントロール

 ただし、このアニメーションにはまだいろいろと問題があります。これから順番に修正していきましょう。
まず、自動車の向きが道路に沿って変わるようにします。スプラインに沿うタグの「接線方向を向く」をチェクしてください。次に、自動車がスプラインの最初のポイントの部分で減速しないようにします。
デフォルトでは減速するようになっていて、普通はこれで自然に見えるのですが、今回はサーキットの周回なので減速しない方が自然です。また、デフォルトは、プロジェクト設定の「キー補間」ページで変更できます。
タイムラインを開き、「キーモード」から「Fカーブモード」に切り替えます。Fカーブモードはキーの間の変化を表示させるモードです。次に、表示させたいトラックを選択し、ウインドウ内で右クリックし、「全体を表示」を選択します。次に、2個のキーを選択し、ウインドウ内で右クリックし、「線形」を選択します。次に、道路上のコーナーやポイントが密集している部分で自動車が遅くなってしまう問題を解決します。
これは、デフォルトで重要な部分を細かく分割するよう最適化しているためで、普通は問題になりません。しかし今回は、自動車の速度が均等になるようにします。
そこで円形スプラインを選択し、「補間法」の値を「最適」から「均等」に変更します。
均等にするとコーナー部分でポリゴンの分割が粗くなるので、「分割数」の値を大きくします。
現在のコンピューターであれば、ポリゴン数を気にする必要はほとんどありません。むしろ、ポリゴンのカクカクの方が気になるので、多め多めに設定してください。
図051-10

Step 11

ヌル

 最後に、道路に潜っている自動車を道路の上に引き上げます。この修正は、これまでのようにオプションやパラメータを変更するだけではできません。
なぜなら、自動車は「スプラインに沿う」タグによってスプラインに拘束されていて、動かせないからです。
タグを一時停止すれば動かせますが、今度はアニメーションしなくなります。
これはユーザーが指定したことですから、変えようがありません。
そこで、簡単なトリックを使います。この方法は、いろいろな形に応用できます。まず、ヌルオブジェクトを作成します。
ヌルオブジェクトは形も機能も持たない簡単なオブジェクトですが、軽くて邪魔にならないので、他のオブジェクトの補助としてよく使います。次に、自動車に付いていた「スプラインに沿う」タグを、ヌルに移します。
すると、アニメーションが自動車からヌルに移動し、ヌルが道路の中を走るようになります。そして自動車は止まります。次に、自動車をヌルの子オブジェクトにします。すると、自動車が変な動きをするようになります。これは、ヌルと自動車の位置がずれているからです。
ヌルに対する自動車の位置と角度を0にするために、「reset_pos_rot」スクリプトを実行します。ショートカットは「cmd+/」です。
もしくは、座標マネージャで位置と角度の値を全て0にして、「適用」ボタンを押しても構いません。
これで、元通り自動車が道路の中を走るようになります。ただし、実際に走っているのはヌルで、自動車はヌルに「乗っかっている」だけです。
ですから、自動車を上に持ち上げれば、道路の上を走るようになります。
これで、自動車を走らせるアニメーションの基本部分は完成です。
図051-11

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CINEMA 4D基礎 2: カメラとXPressoを追加する

題名 内容、及び関連する章 作成日/注記
052 カメラとXPressoを追加する グラデーション、ライブ選択、カメラ、ターゲットカメラ、カメラを切り替える、対称オブジェクト、MoGraph、スプラインに沿う、XPresso、シーンの整理 2014.4.20

Step 1

グラデーション

 次に、道路にセンターラインを引きます。センターラインを引くには、オブジェクトを重ねる方法と、テクスチャを貼る方法がありますが、ここではテクスチャを貼る方法について説明します。さらに、テクスチャを貼る方法にも二つあります。一つは、Photoshop等でビットマップ画像を作成し、それを貼る方法、もう一つは、CINEMA 4Dのシェーダを使って内部で生成する方法です。ここで、「テクスチャ」とは「模様」という意味です。

ビットマップ画像を使うと、簡単にリアルな絵を生成できます。しかし、ビットマップ画像を作る手間や、解像度の制限、変更が面倒、別ファイルが増える、など面倒な問題も発生します。

しかし、シェーダを使えばこのような問題は発生しません。ですから、簡単なテクスチャはシェーダで生成するようにしてください。

 

まず、新規マテリアルを作成し道路に適用します。これで、道路にはアスファルトとセンターラインの二種類のマテリアルが重ね塗りされた状態になります。ただし、この段階では道路の全面が白くなっているので、「センターライン」になっていません。

次に、センターラインを道路の中央部分だけに制限するため、「アルファ」チャンネルをチェックします。このアルファチャンネルはPhotohopのアルファチャンネルと同じ意味です。

次に、アルファチャンネルに「グラデーション」シェーダを適用します。グラデーションシェーダは、Photohopのグラデーション機能に似ていますが、遥かに強力です。

シェーダのプレビューをクリックすると、編集ウインドウが開きます。さらにグラデーションの左にある小さな三角形をクリックして内部を開きます。

次に、グラデーションの「補間」を「なし」にします。そして、右のマーカーを少し左に移動し、右端に白い線が見えるようにします。白い部分がセンターラインになります。

次に、センターラインのテクスチャタグを選択し、「オフセットU」の値を調整します。このUとVは、「縦と横」と考えて構いません。

ただし、道路の形状に沿って断面方向が縦、進行方向が横になります。

図052-1

Step 2

ライブ選択

 次に、道路に高低差を付けます。まず道路の右の「緑のチェック」をクリックすると、「赤のバツ」になり、道路が消えます。これは、オブジェクトの働きが一時停止したからです。もう一度クリックするとオブジェクトの働きが復活します。表示/非表示の機能に似ていますが、道路の中に入っていたスプラインの部品はちゃんと見えています。このように、オブジェクトの内部の部品を編集したい場合や、機能の確認をしたい場合、動作が重い場合等に、機能を一時停止します。表示/非表示やオブジェクトの状態は、属性マネージャの「基本」ページにも表示され、ここでアニメーションを付けることもできます。

 

次に、スプラインのポイントを選択します。円形オブジェクトを選択し、「ポイント」モードに切り替えてください。

ポイントの選択と移動は「移動」ツールでもできますが、ポイントがたくさんある場合は「ライブ選択」ツールを使った方が楽です。ライブ選択ツールに切り替えるとマウスポインタの周りに白い円が表示されますが、左クリックした状態でマウスホイールを回すとこの大きさを変更できます。

「Shift」キーを押しながら選択すると、選択を追加できます。「control」キーを押しながら選択すると、選択を解除できます。

ポイントを動かすときは、必ず軸の頭をつかむように注意してください。

スプラインを立体形状にすると、「ねじれ」の問題が発生します。ねじれの問題は非常に面倒で、いろいろな対策がありますが、ここでは単に水平になればいいので、「スイープ」の「バンク」オプションを外すことで対応します。

図052-2

Step 3

カメラ

 次に、カメラを追加します。今までは作業用のカメラでシーンを見ていましたが、作業用のカメラにはアニメーションを付けられないので、カメラを動かす場合は必ずオブジェクトカメラを追加してください。このカメラは自動車に乗せるので、名前を「車載カメラ」に変更し、自動車の子オブジェクトにします。次に、「新規ビューパネル」を出します、CINEMA 4Dはエディターを何枚でも表示でき、それぞれに別のカメラを割り当てられます。

最初の状態ではカメラが自動車の内部に入ってしまうため、少し、上と後ろに移動します。

カメラは間違って動かしやすいので、「ロック」タグで固定します。

図052-3

Step 4

ターゲットカメラ

 次に、ターゲットカメラを追加します。ターゲットカメラは、指定したオブジェクトを追いかけるカメラです。まず、ターゲットカメラを乗せるためのタワーを建てます。次に、ターゲットカメラをタワーの子オブジェクトにし、位置と角度の値を0にし、上に持ち上げます。名前は「タワーカメラ」に変更しておいてください。また、「cmd+/」を押すと、「reset_pos_rot」というスクリプトが実行され、簡単に位置と角度の値を0にできます。

エディタの「使用カメラ」を「タワーカメラ」に切り替えると、タワーカメラからのビューになります。

このカメラにもロックタグを付けますが、そのままだとカメラが完全に固定され、自動車を追いかけなくなります。そこで、「R(回転)」のロックだけ解除します。

図052-4

Step 5

カメラを切り替える

 次に、カメラを切り替えます。カメラの切り替え方法はちょっと混乱しているので注意してください。まず、オブジェクトマネージャでカメラの右にある黒いボタンをクリックすると白くなり、そのカメラからのビューに切り替わります。そして、選択されたカメラはビュー上で緑色になります。選択されていないカメラは白です。

これは、エディターの「使用カメラ」を切り替えるのと同じですが、実は切り替わるのは「このビューをレンダリング」がチェックされているメインウインドウだけです。エディターにはレンダリングに使用される「メイン」が一枚だけあり、それ以外は全て「サブ」なのです。

サブウインドウにリンクするカメラは、各ウインドウの「使用カメラ」で切り替えるしかありません。また、サブウインドウにリンクされたカメラのボタンは黒いままで、レンダリングには使われません。

次に、アニメーションの中でカメラを切り替える方法ですが、これも独特です。

他のオブジェクトのアニメーションはそのオブジェクトに直接付けますが、カメラの場合レンダリング用のカメラはシーンに1個しか置けないという制約があるので、「ステージ」という特殊なオブジェクトにリンクする形でアニメーションを付けます。

まず、ステージオブジェクトを作成し、「カメラ」フィールドにあるカメラをリンクし、キーを打ちます。

次に別の時間で別のカメラをリンクし、再度キーを打ちます。これでカメラを切り替えるアニメーションができました。

図052-5

Step 6

対称オブジェクト

 次に、道路の周囲にガードレールを付けます。こういう小さな部品を作るときは、新規シーンに移動した方が楽です。CINEMA 4Dでは、オブジェクトだけでなく子オブジェクトやマテリアル、アニメーションを含めて、コピーアンドペーストでシーン間を自由に移動できます。まず、ヌルオブジェクトを作成し「ガードレール」とします。次に、ガードレールの片側を作ります。サンプルでは円柱を使っていますが、何を使っても構いません。そして、X軸方向の位置を「25」にします。これは道路の幅が40なので、その少し外側という意味です。

次に、「対称」オブジェクトを追加します。対称オブジェクトは、キャラクターや自動車等、対称なオブジェクトを作る時によく使います。

ガードレールが完成したら、ガードレールをコピーし、ウインドウメニューの一番下にあるメニューから元のシーンに移動し、ペーストします。

図052-6

Step 7

MoGraph

 次に、MoGraphを使って道路の周りにガードレールを並べます。MoGraphは現在のCINEMA 4Dの要となる機能なので、よく見ておいてください。まず、「クローナー」を作成し、ガードレールを子オブジェクトにします。クローナーの働きはパーティクルと同じで、自分の子オブジェクトを複製します。次に、複製するモードを「オブジェクト」に変更し、「円形」スプラインをリンクします。「複製数」を変更すると、ガードレールの数が変わります。

次にガードレールの向きを調整します。今回は道路のバンクのような便利なオプションはないので、補助的なスプラインを作ります。メインのスプラインは「パス」、補助のスプラインを「レール」と言います。

まず、円形の名前を「円形_path」に変更し、「インスタンス」オブジェクトを作ります。インスタンスというのはあるオブジェクトへの参照という意味で、元オブジェクトが編集されるとインスタンスも同時に変化します。複製に似ていますが、インスタンスは編集できません。

インスタンスの名前は「円形_rail」に変更します。また、道路の中に入っていると道路が壊れるので、外に出します。

次に、インスタンスを少し上に上げます。これで、パスが電車の線路、レールが電車の架線のような関係になりました。この間にガードレールを並べるわけです。

クローナーの「レール」フィールドに円形_railをリンクし、「ターゲット」オプションをチェックします。


図052-7

Step 8

スプラインに沿う

 次に、この道路の何カ所かにゲートを付けます。ガードレールの場合と同じように新規ファイルに移動し、「チューブ」オブジェクトを作ります。そして、大きさやフィレットを調整し、名前を「gate」に変更します。このゲートは後で色が変わるようにするので、マテリアルは二つ作ってください。できたら、gateをコピーし、元のシーンに移動し、ペーストします。

次に、gateに「スプラインに沿う」タグを付けます。そして、「スプラインに沿う」の「パススプライン」に「円形_path」をリンクし、「スプラインの位置」の値を変えて、適当な位置に移動します。

自動車と違ってgateは動かしませんが、こうしておけば、道路の形状を変更してもgateの位置がずれません。


図052-8

Step 9

XPresso

  次に、自動車が通過した時に自動的にgateのマテリアルを変えるXPressoを作ります。XPressoというのはCINEMA 4D独自のエクスプレッション環境で、ノードをつなぐだけで複雑なプログラムを作成できます。XPressoもCINEMA 4Dの要となる機能なので、よく見てください。まず、gateに「XPresso」タグを追加します。XPressoタグをダブルクリックすると、「XPresso編集」ウインドウが開きます。

次に、「gate」と「自動車」、「gateについているテクスチャタグ」をXPresso編集にドラッグします。

そして、「gate」と「自動車」から「絶対位置」を取り出します。「絶対位置」はワールドに対する位置、「相対位置」は自分の親に対する位置です。

次に、XPresso編集の空いている部分を右クリックして「距離」ノードを作成します。このノードを使ってgateと自動車の距離を調べ、指定した距離より近づいたらテクスチャタグにリンクされているマテリアルを切り替えるわけです。

次に、距離を判断するために「比較」ノードを作成します。比較ノードは、「比較演算子」を「<(小さい)」に、「入力2」を「50」にします。こうすると、比較ノードは距離が50より小さい時に「1(True)」、そうでない時には「0(False)」を出力するようになります。

次に、二つのマテリアルを切り替えるために「on」と「off」マテリアルをXPresso編集にドラッグします。

そして、「条件分岐」ノードを作ります。条件分岐ノードは、「スイッチ」の値に応じた「入力」の値を「出力」に出します。つまり、スイッチの値が0なら入力1が、スイッチの値が1なら入力2が出力されるわけです。

条件分岐ノードはいろいろな値を扱えますが、今回は「マテリアルのリンク」を切り替えるので「データタイプ」を「リンク」に変更します。

最後に、「テクスチャタグ」ノードに「マテリアル」入力ポートを追加し、条件分岐ノードの出力ポートにつなぎます。

これで、自動車が通過する時に自動的にgateのマテリアルが変化するようになりました。キーは全く打っていませんが、これもアニメーションの一つです。

 

次に、このXPressoがついたgateを複製し、「スプラインに沿う」タグの「スプライン上の位置」の値を変更し、道路上の別の位置に移動します。すると、自動車が通過するたびに各gateのマテリアルが自動的に切り替わるはずです。

もしこのマテリアルのアニメーションをキーフレームで作ろうとしたら、自動車や道路やgateが変化するたびにキーを修正する必要があり非常に大変です。また、gateが数百個ある場合、事実上キーフレームで管理することは不可能です。しかし、XPressoを使えば何の問題もありません。


図052-9

Step 10

シーンの整理

 最後に、だいぶシーンが混乱してきたので整理します。これも非常に重要な仕事です。まず、gateが3個に増えたので、ヌルを使ってグループ化します。次に、道路や自動車をまとめるためにヌルオブジェクトを作成し、「自動車ワールド」とします。小さいファイルの場合は「台」を親にしてまとめてしまってもいいのですが、こうすると台を差し替えられなくなってしまいます。

オブジェクト数が20〜30を超えたら、ヌルを使ってまとめましょう。

ただし、「ステージ」だけはシーンに一個の特殊なオブジェクトなので出します。

ここまでのシーンファイル。

図052-10

 

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CINEMA 4D基礎 3: レンダリング

題名 内容、及び関連する章 作成日/注記
053 レンダリング ライトと影、空オブジェクトとパノラマHDR画像、グローバルイルミネーション(GI)、レンダリング設定とモーションブラー、Team Render 2014.4.22


Step 1

ライトと影

  さて、052章までの作業によって高度なアニメーションを含んだシーンを作ることができました。しかし、絵としてはとても貧弱です。この状態から絵のクオリティーを上げていくには、まず最低限のライティングが必要です。もちろん、ディティールのモデリングや、テクスチャを貼る作業も必要です。しかし、それらはライティングの後に行うものです。なぜなら、ライティングが決まっていないとモデリングやテクスチャ作業の結果を絵としてチェックできないからです。

しかもライティングは簡単で、10分もあれば終わります。もちろん、似たようなシーンを作る場合は、古いシーンのライティングを使い回しても構いません。というか、ほとんどの場合そうします。

ライティングがあることで、その後の作業の効率やクオリティーは確実に上がります。どんな仕事でも作業開始後数時間以内にシーンをライティングし、絵として確認するようにしてください。

まず、シーンにライトを追加します。ライトを置くときの基本は、「あるべきところに置く」です。部屋の真ん中等ライトが存在しないところにライトを置くのはダメです。また、天井にある多数のライトを1個にまとめるのもダメです。ライトの数が1000個以下なら、本物通りに置いてください。

ライトの数が1000個を超えたり、面が発光している場合は、ライトの代わりに発光するマテリアルを使います。エリアライトは絶対に使わないようにしてください。これはR7以前に使われていた機能で、現在は使いません。

このシーンは屋外なので、太陽に相当する「無限遠ライト」を追加します。無限遠ライトはエディターの中心に出てきますが、ここから光が出るわけではありません。これは無限遠ライトの方向を決めるハンドルのようなものです。

無限遠ライトはデフォルトで水平線上にあり、シーンは暗く見えます。そこで、回転ツールに切り替えて無限遠ライトのZ軸(青い軸)が下を向くように回転させると、シーンが明るくなります。

しかし、絵の質感はほとんど変わらず貧弱なままです。

そこで、「影のタイプ」を「エリア」に変更します。すると、影が表現され、絵の立体感や遠近感が一気に向上します。ここで、「無限遠の角度」を「0.5」から「2」に変更しています。これは影のボケを調整するもので、薄曇りが多い日本ではこのぐらいがちょうどいいからです。

図053-1

Step 2

空オブジェクトとパノラマHDR画像

 ただし、まだまだ十分なライティングではありません。影の中が真っ黒です。現実には、太陽の光は空や周囲のオブジェクトによって反射され、影の中を照らします。このような効果を「間接照明」と言いますが、これを表現するのがグローバルイルミネーション(GI)です。それでは、まず空を表現するために「空」オブジェクトを追加します。空オブジェクトは無限に大きな球で、これに360度のパノラマHDR画像を貼れば簡単に環境を作ることができます。

ここで、HDRとはハイダイナミックレンジの略で、簡単に言うと「100%よりも明るい色を含む」という意味です。普通Photoshopで画像を編集する場合、100%以上の明るさは意味がないのですが、CINEMA 4Dの場合、画像がオブジェクトを照明したり映り込んだりするので、100%と1000%ではレンダリングされる絵が全く異なるのです。

AfterEffectsを使っている人はよく「背景は後で合成するから要らない」と言いますが、CINEMA 4Dにおいて背景は最大のライトであり、鏡面反射される絵です。たとえ後で別の画像を合成するにしても、なるべく近い色や明るさの背景を置く必要があります。そうしなければ、背景と3Dは合いません。

次に、コンテンツブラウザからHDR画像を選択します。パノラマHDR画像は自分で撮影することもできますが、素材集もいろいろ出ています。パノラマHDR画像は絵のクオリティーに大きな影響を与えるので、納得できる画像を使うようにしてください。

パノラマHDR画像は空全体に貼るので、10000ピクセルを超える解像度が必要です。また、デフォルトのプレビュー解像度では粗くてよくわからないので、「テクスチャプレビューサイズ」を「1024*1024」等に上げます。

図053-2

Step 3

グローバルイルミネーション(GI)

  次に、GIの設定をします。GIの設定は、原理を理解しようとするとすると難しいですが、簡単なルールでほとんどのシーンに対応できるという意味では簡単です。ただし、GIのデフォルト値やプリセットにはおかしな値が入っているので、絶対に使わないようにしてください。まず、レンダリング設定で「アンビエントオクルージョン」を入れます。アンビエントオクルージョンは「奥まった部分を暗くする」機能で、ライティング機能そのものではありませんが、GIと併用することで絵のクオリティーを上げることができます。

「レイの最大距離」は暗くする範囲を決めるパラメータで、「20」に変更します。また、「透過を考慮」オプションをチェックします。これは、透明なオブジェクトの周囲を暗くしないためです。

次に、レンダリング設定で「グローバルイルミネーション」を入れます。

「セカンダリの方式」を「イラディアンスキャッシュ」に、「拡散反射回数」を「4」に変更します。これらの項目は固定です。

次に、「サンプル」を「カスタムサンプル数」に、「サンプル数」を「64」に変更します。この値は、シーンのコントラストに応じて、64から2048の間で毎回調節します。

例えば、薄曇りの屋外はコントラストの低いシーンで、スポットライトが並んでいる暗い部屋はコントラストの高いシーンです。

また、値を変える時は倍々で変えてください。100と200では大違いですが、1900と2000ではほとんど変わりません。値を大きくすると高いコントラストに対応できます。

次に、「レコード密度」を「低」に変更し、「密度」を「20」に変更します。この値も固定です。

次に、「最小間隔」と「最大間隔」の値を「32」に変更します。この値はシーンの細かさに応じて、4から64の間で毎回調節します。

例えば、大きな平面で構成された現代建築は粗いオブジェクトで、細かい意匠をたくさん含むルネサンス期の教会等は細かいオブジェクトです。この値も倍々で変えてください。値を小さくすると細かくなります。

最後に、「スクリーンスケール」オプションは外します。この値も固定です。

 

この状態でレンダリングすると、間接光によって影の中が照らされているのがわかります。ただし、間接光を追加したために明るくなりすぎていることや、間接光が青空を反映して全体に青みがかっていることなど、問題もあります。

これらの問題は、「太陽」の「強度」や「カラー」を変えたり、GIの「強度」を変えることで簡単に解決できます。

次に、「タワー」や「自動車」等いくつかのオブジェクトのマテリアルに「鏡面反射」を指定します。こうすると、空オブジェクトに適用したパノラマHDR画像が映り込み、また絵のクオリティーが上がります。

ただし、周囲に映り込む画像やオブジェクトが存在しない状態で鏡面反射を入れても何も起こりませんから、注意してください。

最低限のライティングやマテリアルを設定した後、各パラメータを調整して絵作りをしていきます。

逆に言えば、これ以前の状態でいくらアニメーションやモデリング、テクスチャ作業をがんばっても、それが最終的にどのような絵になるか判らず、後で多くの調整作業が必要になります。

ですから、なるべく早い段階でライティングとマテリアルを設定するようにしてください。

図053-3

Step 4

レンダリング設定とモーションブラー

 次に、アニメーションを書き出すためにレンダリング設定のパラメータを設定します。まず、「レンダラー」を「フィジカル」に変更します。まず、「出力」ページで「幅」と「高さ」を適当な値に変更します。

また、「フレームレンジ」を「全てのフレーム」に変更します。

次に、「保存」ページで適当な「ファイル名」を指定します。ファイル名を指定しないと画像が保存されないので注意してください。

また、右端のボタンを押してフルパスを入力すると、画像を外部HD等に保存できますが、シーンファイルを別のコンピュータに移した場合に画像を保存できなくなるので注意してください。

画像を外部HDに保存したい場合は、シーンファイル自体を外部HDに置くのが基本です。

フォーマットは、最終的には「連番、HDR」にするのがおすすめですが、今回はプレビューなので「QuickTimeムービー」にします。圧縮は「H264」がおすすめです。

「アンチエイリアス」ページでは、「マイナス成分をクリップ」をチェックします。これによって、極端に明るいオブジェクトの周囲に黒いフリンジが出るのを防止できます。

「オプション」ページでは、「しきい値」の値を「1」に変更します。これは、反射光や屈折光の明るさが1%以下になったら計算をそこで止めるという意味です。

これで一度「画像表示にレンダリング」を実行します。すると全てのフレームがレンダリングされ、ファイルが保存されます。

レンダリングを中止するには「esc」キーを押すか、画像表示ウインドウの「ファイル -> レンダリングを停止」を選択します。レンダリングを停止しても、それまでにレンダリングされた画像やムービーは正常に保存されます。

全てのフレームをレンダリングする前に、何カ所かレンダリングして設定忘れがないかチェックしてください。また、ライティングやマテリアルも必要に応じて微調整します。

 

最後に、アニメーションをスムーズに見せるために「モーションブラー」をチェックします。モーションブラーは二つのフレームを補間する機能なので、「ビューをレンダリング」機能でエディターをレンダリングしても表現されません。

図053-4

Step 5

Team Render

 最後に、TeamRenderを使ってレンダリングします。TeamRenderはR15から追加されたネットワークレンダリング機能です。まず「TeamRenderマシン」ウインドウを開き、ネットワーク上に使えるコンピュータがあるかどうか確認します。もし「使用不可」になっている場合は、「一般設定」の「TeamRender」ページで「TeamRenderを有効にする」をチェックしてください。また、ここで「コンピュータ名」と「セキュリティトークン(パスワード)」を適切に設定しておいてください。

TeamRenderを有効にすると、現在ネットワーク上でTeamRenderクライアントが走っているコンピューターの名前が「TeamRenderマシン」にリストされます。

もし他に空いているコンピュータがあれば、それらのコンピュータでTeamRenderクライアントを起動します。これらのクライアントにも適切な「コンピュータ名」と「セキュリティトークン」を設定しておいてください。

他のコンピュータでTeamRenderが起動すると、「TeamRenderマシン」に「未認証」の状態でリストされます。そこで、リストを右クリックして「認証」を選択し、適切なセキュリティトークンを入力します。

すると、そのコンピュータが認証され、ネットワークレンダリングできるようになります。

最後に、「画像表示でTeamRender」を実行します。すると、ネットワーク上の各コンピュータにフレーム単位でレンダリング作業が分散され、レンダリングされた画像が集まってきます。

そして、レンダリングが全て終了するとQuickTimeムービーに変換されます。

ここで、あるウインドウの中にマウスポインタを置いた状態で「control+tab」キーを押すと、そのウインドウを最大化できます。

レンダリングが完了したムービーは、画像表示の中で再生することもできますし、もちろんデスクトップで再生することもできます。

ここまでのシーンファイル。

図053-5

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CINEMA 4D基礎 4: モデリング

題名 内容、及び関連する章 作成日/注記
054 モデリング ポリゴンモデリング、押し出し、別オブジェクトに分離、ブリッジ、サブディビジョンサーフェイス(SDS)、デフォーマ、オブジェクトの置き換え 2014.4.24

Step 1

ライトと影

 自動車のサンプルでは「スプライン」を基本としてオブジェクトを作りました。スプラインの利点は、「多くのアニメーション機能が連動する」ことです。これによって、修正に強いシーンを作れます。ただし、スプラインには「不規則な形状を作れない」という欠点もあります。

自動車やキャラクターのように不規則な形状を作る場合、CINEMA 4Dでは「ポリゴン」を使ってモデリングします。ポリゴンを使うと複雑な形状を作れますが、多くのポイントやポリゴンを編集する必要があり、アニメーション機能を連動させることができません。

つまり、ポリゴンモデリングすると手間がかかり、オブジェクトがデコボコになり、修正が困難になるのです。

そこで、CINEMA 4Dにはポリゴンモデリングを補助するためのアニメーション機能がいくつか備わっています。その代表的なものが「サブディビジョンサーフェイス(SDS)」と「デフォーマ」です。

この章では、下のような複雑な形状のオブジェクトを効率よくモデリングする方法について説明します。

図054-1a

ポリゴンモデリングは言葉で説明できるものではなく、ただひたすら慣れるものです。しかし、何も考えずに進めると後で全部やり直しになります。

そこで、ポリゴンモデリングの「鉄則」について、簡単に説明しておきます。

1. 可能な限りポリゴンを使わず、スプラインやプリミティブで作る。

2. ポリゴンを使う場合でも、可能なところまではスプラインやプリミティブで作る。

3. 可能な限りHyperNURBSやデフォーマを使う。

4. 適切なポリゴン数で作る。少なすぎても多すぎてもダメです。

多くの場合初心者はポリゴンを増やしすぎるので、「少なめに」と心がけてください。

5. 整った形状のポリゴンを使う。

「整った形状」とは、「正方形」と「正三角形」のことです。

図054-1b

これに対して、使ってはいけない「ダメな形状」は「折れた四角形」や「へこんだ四角形」、「細長い三角形」や「多角形(N-gon)」です。

このような形状ができてしまった場合は、三角形に分割したり、また四角形に戻したり、N-gonの場合は適切にポイントを追加してください。

 

図054-1c

折れた四角形

 

図054-1d

細長い三角形

 

図054-1e

多角形(N-gon)

 

また、ポリゴンモデリングにはいろいろな「流派」があります。この章で説明する方法は、私が考えた一つの例にすぎません。

みなさんはこの方法にとらわれず、自由にモデリングしてください。

Step 2

押し出し

 それでは、ポリゴンモデリングを始めます。まず最初に「ディスク」プリミティブを作ります。そして、「放射方向の分割数」を「1」、「回転方向の分割数」を「48」に変更します。

回転方向の分割数が48なのは、このオブジェクトに窓(柱)が12個あり、窓一つに付き4ポリゴンを割り当てているからです。この値が24では少なすぎ、72では多すぎます。そして、それ以外の分割数では作れません。

つまり、モデリングを始める前に、48という値を探し出す必要があるのです。これが、ポリゴンモデリングの難しいところです。

 

それでは、ディスクを選択して「編集可能にする」を実行します。これはIllustratorの「アウトライン化」に相当します。

次に、「ポリゴン」モードに切り替え、「ライブ選択」ツールを選択し、ポリゴンを全て選択します。または、「cmd+A」で全選択しても構いません。

次に、エディターの空いている部分を右クリックし、「面内に押し出し」ツールを選択します。この状態でエディターの中を左右にドラッグすると、選択したポリゴンが面内に押し出されます。

ただし、今回はツール属性マネージャで押し出し量を「10」と数値入力します。

CINEMA 4Dのツールは、数値を入力してもすぐには確定しません。確定するのはツールを切り替えた時です。つまり、数値をいろいろと試行錯誤できるわけです。

ただし、この仕様は同じツールを続けて実行したい場合には不便です。そのため「新規に変換」というボタンが用意されています。

新規に変換ボタンを押すと、もう一度面内に10だけ押し出されます。

次に、ポリゴンを全て選択し、「押し出し」ツールに切り替えます。この状態でエディターの中を左右にドラッグすると、選択したポリゴンが面に垂直に押し出されます。

ただし、今回はツール属性マネージャで押し出し量を「10」と数値入力します。

これで見た目は立体になったわけですが、裏返してみると底が抜けていることに気がつきます。そこで、「キャップを作成」オプションをチェックします。

すると、底ができて正しい(閉じた)立体になります。このキャップを作成というオプションは、間違って使うと大変なことになるので、注意してください。

次に、上面の外側のポリゴンを一列選択します。ライブ選択ツールでも選択できますが、なかなか大変です。

ここで、「shift」キーを押しながら選択すると、選択を追加できます。「control」キーを押しながら選択すると、選択を解除できます。

そこで、「ループ選択」という便利な機能を使います。ループ選択に切り替えてマウスポインターをオブジェクトの上に移動すると、マウスの位置に応じてある一列がハイライトされます。選択したいポリゴンがハイライトされた時に、マウスをクリックするとそのポリゴンが選択されます。

次に、再度「押し出し」ツールに切り替え、「20」押し出します。ただし、最初の押し出しに比べて押し出し量が大きいので、「分割数」を「1」に変更してポリゴンの大きさをそろえます。

細かいことですが、こうした配慮がポリゴンモデリングでは大切です。

また、見た目では判りませんが、ポリゴン内部に不正なポリゴンができているので、「キャップを作成」オプションを外します。

この不正なポリゴンは、モデリング中はなかなか気がつかないのですが、後でSDSを適用したり、レンダリングする段階で問題になり、結局作り直すことになります。

これで、Podの下半分が完成です。

図054-2

Step 3

別オブジェクトに分離

 次に、ループ選択ツールで上向きのポリゴンを一列選択します。そして、「別オブジェクトに分離」ツールを選択します。今回は、最終的に一個のオブジェクトにまとめてしまうので別オブジェクトに分離する必要はないのですが、この方法を知っておくと、将来役に立つはずです。

次に、「モデル」モードに切り替え、分離したオブジェクトを上に「100」移動します、ここで、ポリゴンを移動したい場合は「ポリゴン」モード、オブジェクトを移動したい場合は「モデル」モードになることに注意してください。

これはIllusutratorの「選択」ツールと「ダイレクト選択」ツールの関係と同じです。

次に、「ポリゴン」モードに戻り、分離したポリゴンを全て選択し、「押し出し」ツールを選択します。

「押し出し量」と「分割数」の値はそのままでいいのですが、今回は底が必要なので、再度「キャップを作成」オプションをチェックします。

これで、Podの上側が完成したので、二つのオブジェクトを選択し、「オブジェクトを一体化+消去」を実行して一個のオブジェクトに戻します。

図054-3

Step 4

ブリッジ

 次に、下半分の上向きポリゴンと、上半分の下向きポリゴンを一列ずつ選択します。そして、「control」キーを押しながら、ポリゴンの選択を二個ずつ解除していきます。この時、上の選択位置と下の選択位置がずれないように注意してください。

ポリゴンを正しく選択解除できたら、「ブリッジ」ツールを選択します。

そして、上下の対応するポリゴンをドラッグでつないでいきます。すると、ポリゴンの間に柱ができます。

この時、対応するポイントをつなぐように注意してください。ポイントがずれているとねじれた柱ができます。

これで形状は完成です。

図054-4

Step 5

サブディビジョンサーフェイス(SDS)

 次に、「サブディビジョンサーフェイス」オブジェクトを追加して、Podの形状を丸めます。ただし、このままでは柱の部分のポリゴンが縦に延びてしまいます。これは、上下の部分に比べて柱部分のポリゴンが大きすぎるからです。

そこで、「エッジ」モードに切り替え、「ライブ選択」ツールを使って柱部分を全て選択します。

ところが、回してみると後ろ側が選択されていないのがわかります。

実は、選択ツールはデフォルトで見えないエレメント(ポイントやエッジ、ポリゴンをまとめてこう呼ぶ)を選択しないようになっているのです。ツール属性マネージャで「可視エレメントのみ選択」のチェックを外せば、裏側を含めて全部選択できるようになります。

次に、「エッジカット」ツールを選択します。分割数は「9」です。

ただし、デフォルトでは「N-gonを作成」オプションが効いているので、ポリゴンは増えません。直線の中にポイントが増えるだけです。「N-gonを作成」オプションは外せば、全てのポリゴンがきれいに分割され、きれいに丸くなります。

これで分割を含めてポリゴンモデリングは全て完了です。

図054-5

Step 6

デフォーマ

 ポリゴンモデリングは完了しましたが、オブジェクトの形状はまだ完成していません。ここからはデフォーマを使ってモデリングしていきます。デフォーマは、本来アニメーションのための機能ですが、CINEMA 4Dでは重要なモデリング機能でもあります。よく3DCADから入ってきた人が「CINEMA 4Dにはモデリング機能が足りない」と言いますが、それはデフォーマを調べていないからです。

CINEMA 4Dにおいて、「静止画」は「アニメーションの一コマ」だということを忘れないでください。

それでは、「ツイスト」デフォーマを作成し、「ディスク」の下に入れます。デフォーマは、自分の親と兄弟オブジェクトを階層を含めて変形させます。子供や親の親オブジェクトは変形させません。

もし、一部のオブジェクトを変形させたくない場合は、「くさび」タグを適用して制限してください。

次に、「ツイスト」の「サイズ」を「200」に、「Y位置」を「100」に上げます。この状態でデフォーマの上部にあるオレンジ色のハンドルをドラッグすると、オブジェクト全体がねじれます。

このねじれは後からどうにでも変えられますし、アニメーションすることもできます。モデリングツールよりも遥かに便利なので、CINEMA 4Dにはオブジェクトをねじるためのモデリングツールは入っていないのです。

同様に「テーパー」デフォーマを作成し、ディスクの下に入れます。デフォーマはいくつでも重ねることができ、上から順番に変形を実行していきます。この場合はほとんど変わりませんが、デフォーマを置く順番によって形状が大きく変わる場合もあります。

これで全てのモデリングが終了です。

図054-6

Step 7

オブジェクトの置き換え

 モデリングは終了しましたが、ライティングやマテリアルがないと寂しいので、今作ったオブジェクトをサンプルファイルのオブジェクトに置き換えてみましょう。まず、講習会のページの最後からサンプルファイル「054」を落とします。そして、とりあえずレンダリングしてみます。

次に、このシーンの「サブディビジョンサーフェイス」を削除し、ウインドウメニューから元のシーンに戻ります。そして、今作った「サブディビジョンサーフェイス」を選択し、コピーします。そして、またウインドウメニューからシーン054に戻り、ペーストします。

この状態ではマテリアルがついていないので白いままですが、照明はそれなりに表現されます。そして、金属のマテリアルを適用すれば、サンプルと同じ質感のオブジェクトを簡単に表現できます。

さらに、マテリアルを変更すればいろいろなバリエーションを作り出すことができます。

CINEMA 4Dの実際の制作作業では、全てのオブジェクトやシーンを順番に作っていくことはまずありません。このように古いシーンを流用したり、複製して変更することで効率よく作っていきます。

ここまでのシーンファイル

図054-7